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中学受験の志望動機はどう答える?願書の作成や面接に役立つ方法を紹介
中学入試では、出願する際に必ず志望理由書を提出しなければなりません。さらに、面接では定番の質問として志望動機を聞かれます。しかし、志望動機を即興で回答するのは難しく、支離滅裂な回答をしてしまうとマイナス評価につながります。
そのため、きちんと対策し、本番ではスムーズに回答できるように準備しておかなければなりません。この記事では、中学受験の志望動機について、願書の作成や面接に役立つ方法を徹底的に解説します。志望動機に取り入れやすいテーマや注意点もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
◆本記事の目次
なぜ志望動機を答えなければならないのか
志望動機とは、その学校を受験しようと考えた理由です。願書や面接で志望動機を答える場合、受験することを決めた強い理由を伝える必要があります。説明会や文化祭のようなイベントに参加していれば、学校側の考えを踏まえた説得力のある志望動機を考えられるでしょう。参加していない場合は、パンフレットや学校のホームページなどを参考にするのがおすすめです。
志望動機を考えるうえで「志望動機を尋ねられる理由」を把握しておくことはとても重要です。理由を把握していれば、学校側の立場から見て理想とする生徒像をイメージでき、願書の作成や面接対策に効果的な志望動機を考えられるはずです。「志望動機を尋ねられる理由」は次の3つが考えられます。
●なぜ数ある学校の中から本校を選んだのか知りたい
地域内には公立・私立問わず数多くの中学校があります。その中から、なぜわざわざその学校を志望したのか興味を持たれます。
保護者はどのような理由で、子どもを入学させたいのか明確にしておくことが重要です。「学校のカリキュラムに魅力を感じた」や「自分の子どもも、学校が独自に行なっている活動に参加したいと思っているから」など、学校の特徴を踏まえた理由を考えておきましょう。保護者の意思だけでなく、子ども自身が興味を持っていることもハッキリと伝えるとより効果的です。
●学校の校風に子どもが馴染めるかを確認する
志望動機を尋ねることには、学校の校風に子どもが馴染めるか確認する目的もあります。学校独自の雰囲気や校風と子どもの性格の相性が悪く、途中で退学してしまうケースも稀にあり、学校側としては相性の不一致を防ぎたいという考えがあるためです。
中高一貫校であれば、高校卒業まで同じ敷地内で生活することになるので、校風との相性はさらに重要と言えるでしょう。3年間もしくは6年間通えるのか判断する材料の1つとして、志望理由の確認は重要なのです。
●学校の運営方針に賛同しているか判断する
志望動機は、学校の運営方針に賛同しているか確かめるために活用されることがあります。面接を実施する中学校の多くは、私立中学校や公立中高一貫校です。学校によっては、運営方針やカリキュラムを工夫している場合があり、スムーズに学習を進めるためにも賛同できない生徒を受け入れるわけにはいきません。
そのため、特に面接を実施する公立中学校は、検査を目的に志望動機を質問しています。志望動機を尋ねて、学校の運営方針を理解したうえで受験しているか判断したいと考えているのです。
志望動機を考える手順
「志望動機を尋ねられる理由」を理解したからといって、目的に合わせた文章や回答をいきなり考えるのは簡単ではありません。そこで、4つの手順に従って受験に効果的な志望動機を考えていきましょう。手順ごとに押さえておくべきポイントがあるので、1つずつ解説していきます。
●手順1:志望動機を箇条書きにする
いきなり文章化しようとすると、手が止まってしまうのは無理もありません。まずは、箇条書きにして頭の中を整理しましょう。
志望校のウェブサイトやパンフレットには、学校の運営方針やクラブ活動、イベント情報が掲載されています。このような資料を参考にすると、より正確な情報をもとに動機を考えることが可能です。
例えば、「科学部があるのがよいと思った」や「英語学習に力を入れている」など、資料を参考にすることで、具体的な動機が学校の受験担当者に伝わりやすくなるでしょう。箇条書きにする時点で、具体的に書き出しておくことをおすすめします。
●手順2:箇条書きしたものを短文にする
次に箇条書きで書き出した内容を短文にしていきます。短文にする際は、箇条書きにした内容と、魅力的に感じた「理由」をつなげていくと簡単です。
例えば、「科学部があるのがよいと思った」の理由として「理科が好き」なら、「自分は理科が好きだから、中学校に入学したら科学部に入部したいと思った」のような短文が完成します。
ほかにも、「英語学習に力を入れている」という箇条書きに対しては、「将来は英語を話せるようになりたいから、英語学習に力を入れている学校で勉強したい」という短文を作成できるでしょう。
●手順3:短文をつないで文章化する
短文がいくつか完成したら、いよいよ文章化します。箇条書きにしたことをすべて盛り込まなくても構わないため、分かりやすさを意識しながら短文をつなぎましょう。
短文をつなぐ際は、学校はあくまで勉強する場であることを念頭に置き、カリキュラムや運営方針に触れることが重要です。逆に、「大学まで内部進学できるから」といった楽したいという雰囲気が伝わる理由は、避けるべきです。
●手順4:志望動機を考えた本人以外の人が確認する
一度志望動機が仕上がったら、考えた本人以外の人が確認するようにしましょう。例えば子どもが考えた場合は保護者、妻が考えた場合は夫に確認を任せることで客観的な感想をもらえます。とくに志望理由書をチェックする際は、表現や文章だけでなく、誤字脱字の確認も忘れないようにします。
子どもが考えた志望動機を修正させる場合は、「もう一度最初から考え直せ」や「どうしてこんな文章になるの」など、頭ごなしに怒るのは避けましょう。受験へのモチベーションが下がったり、委縮してしまったりする場合もあるため、修正する箇所を指示するだけにとどめておくことをおすすめします。
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志望動機のテーマにできる事柄の例
志望動機で多くの人が悩むのは「どんなテーマを選べばよいか」いうことです。志望校の魅力的なポイントが複数あるからといって、すべてを盛り込む必要はありません。複数のテーマを盛り込む場合、メインテーマを1つ決めておくと説得力のある文章にまとまります。テーマ選びにお困りの方は、以下の3つを参考にしてみてください。
●教育方針・カリキュラムに魅力を感じた
教育方針やカリキュラムに魅力を感じた場合、「英語教育に力を入れているカリキュラム」や「プログラミング教育が充実している教育環境」、「生徒の自主性を重んじる校風」などが具体的なテーマになるでしょう。子ども自身が興味を持ち、性格に合っていることも述べると、保護者だけの一方的な考えではないことが伝わります。
教育方針・カリキュラムをテーマにする際は、単純に「貴校の教育方針に共感を受けました」とだけ記載して、どの学校にも当てはまる文章を作成するのは避けましょう。
●部活動・文化活動の質が高い
部活動や文化活動をテーマにするなら、「強豪校であること」や「生徒が主体となって活動していること」が適切です。
具体的な部活内容に触れるよりは、「厳しい環境に挑戦することで、主体性や精神的な成長が期待できる」という伝え方をおすすめします。面接官が部活の顧問以外の場合、活動内容を詳しく把握していない場合もあるためです。
部活を通じた成長をテーマに掲げると、どんな人が面接官をしていても理解してもらえるでしょう。
●在校生・卒業生の印象がよかった
在校生・卒業生の印象も志望動機として活用できます。オープンスクールや文化祭、学校説明会に行ったときの印象を述べると、「学校に興味を持っていること」が伝わり好印象を持たれます。
志望動機を考える際は、「ハキハキ話をしていた」や「困っていたところを助けてもらえた」など具体的なエピソードを盛り込むのがコツです。どちらかというと、保護者が志望理由書を書く際に利用しやすい傾向にあります。
志望動機を考えるときの注意点
志望動機は、願書の作成や面接時に高確率で問われる重要な項目です。そのため、よく考えずに手抜きで仕上げると願書の確認の担当者や面接官に見抜かれてしまい、悪い印象を与えてしまいます。学校関係者に良いイメージを持ってもらうため、以下の3つの注意点を意識しながら志望動機を考えましょう。
●本やWEB上で紹介している例文をそのまま使わない
紹介されている例文をそのまま使わないことは、最も重要な注意点の一つです。本やWEB上で紹介されている例文は定型文のようなものなので、ありきたりな文章になってしまいます。相手は添削や面接のプロのため、定型文は避けて自分なりの言葉でまとめた方が好印象を与えられます。
●誤字脱字や言葉遣いに気を付ける
誤字脱字をなくすには、何度も見直したり、ほかの人に読んでもらったりすることが重要です。志望理由書を書くときは、少し時間を空けてから再度確認すると、頭の中がリセットされているため間違いを見つけやすくなります。
保護者が志望理由書を作成する場合、「愚息」や「~しております」のような丁寧すぎる表現は避けた方が無難です。へりくだりすぎて、かえって印象が悪くなる恐れがあります。「息子」や「〜しています」など、自然な言葉を使用することを意識しましょう。「ですます調」と「である調」を混在させないことも、読みやすい文章を作成するうえで大切です。
また、面接の際は言葉遣いにも注意しましょう。「本校・貴校・御校」など使う場面や相手によって表現が変化する言葉の違いを理解したうえで使う必要があります。
●志望理由書と面接の回答の内容を一致させておく
志望理由書に書いた内容は、面接でも回答できるように用意しておきましょう。志望理由書と面接で回答した志望動機が異なると、学校側から不信感を抱かれてしまいます。そこで、出願前に志願書はコピーしておくことをおすすめします。
また、志望理由書を作成する人と、面接試験を受ける人が違う場合は要注意。例えば保護者が志望理由書を作成する場合は、面接を受ける子どもの意見を取り入れながら作ることが重要です。
志望校に合格するなら基礎学力の向上も重要!
この記事では、中学受験の志望動機について解説しました。願書の作成や面接に必要な志望動機をしっかりと考えることは、合格に向けて重要な役割を果たします。志望動機がまとまらない場合、本記事でお伝えした4つの手順を参考にしてみてください。
中学受験に合格するには、志望動機だけが重要ではありません。基本的な学力も一定以上必要になります。しかし、学習習慣が身についていない小学生は、自分ひとりで学力を向上させるのが難しいのではないでしょうか。
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