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愛知県公立高校入試の仕組みとは?複合選抜の特徴と2027年度からの変更点

2026.06.17

「愛知県の公立高校入試は仕組みが複雑でわかりにくい」「公立高校を2校受験できるって聞いたけれど、どういうこと?」「2027年度から入試制度が大きく変わると聞いたけれど、何が変わるのかよくわからない」愛知県で高校への進学を控えた中学生や保護者の中には、このような悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

愛知県の公立高校入試には「複合選抜」という独自の制度があり、他県とは異なる特徴を持っています。さらに、2027年度(令和9年度)からは調査書(内申書)の記載内容に変更があるため、最新の情報を正しく把握しておくことが重要です。

そこでこの記事では、まずは気になる「2027年度からの変更点」について解説し、その後に愛知県公立高校入試の基本的な仕組みや選抜方法の種類についてポイントを整理して紹介します。

<2027年度から>愛知県の公立高校入試の変更点とは?

まずは、受験生や保護者の関心が高い2027年度(令和9年度)からの変更点について解説します。この年度から調査書(内申書)の記載項目が変更され、「出欠の記録」「行動の記録」「性別」が削除されます。これにより、不登校の生徒も受験しやすくなる一方、合否判定では「学習の記録(評定)」や「当日点」などが引き続き大きな役割を持つと考えられます。

内申書(調査書)から3項目が削除

これまで中学校から高校へ提出される調査書に記載されていた以下の3つの項目が、2027年度入試より削除されます。

  • 出欠の記録(欠席日数)
  • 行動の記録(10項目の評価)
  • 性別

一方で、「学習の記録(9教科の評定)」や「総合的な学習の時間の記録」「総合所見」などは引き続き調査書に記載され、合否判定の資料として扱われます。

変更により愛知県の公立高校入試はどう変わる?

これらの項目が削除される背景には、多様な学び方や個人の尊重があります。

  • 出欠の記録削除:不登校の生徒や、フリースクール等で学ぶ生徒が、欠席日数を理由に不利にならないようにするためです
  • 行動の記録削除:教師の主観が含まれやすい評価をなくし、より客観的で公平な選抜を行うためです
  • 性別削除:多様な性自認を尊重し、不要な偏見や誤解を生まないようにするためです

この変更により、これまで以上に「学習の記録(評定)」や「当日の学力検査の結果」が合否に影響する可能性があります。特に、欠席が多くて内申点を心配していた生徒にとっては、受験のハードルが下がり、実力を発揮しやすい環境になるといえるでしょう。

一方で、学力そのものの重要度が増すため、日々の学習の積み重ねが一層大切になります。定期テスト対策や基礎事項の復習を早めに始め、入試本番で得点できる「実戦的な学力」を身につけていくことが重要です。

これらが2027年度からの主な変更点となります。では、そもそも愛知県の入試制度全体はどのような仕組みになっているのでしょうか。次の章では、基本的な入試の仕組みについて解説します。

愛知県の公立高校入試の仕組みとは?

愛知県の公立高校入試の仕組みは、居住地による学区制や公立高校を最大2校受験できる「複合選抜制度」などが特徴です。合否は、中学3年生の評定(内申点)と当日の学力検査(当日点)の合計で判定されますが、高校ごとに重視する比率が異なります。

「普通科」と「それ以外」で異なる学区制度

・普通科
普通科の高校は「尾張学区」と「三河学区」の2つの学区に分かれています。受験生は、原則として自分が住んでいる学区内の高校に出願します。さらに、尾張学区では高校が「第1群」と「第2群」に分けられており、志望校選びの際にはこの「群」も意識する必要があります。一方、三河学区には群分けはなく、学区内の高校から志望校を選ぶ仕組みです。


・専門学科・総合学科
工業科、農業科、商業科などの専門学科や、総合学科には学区の制限がありません。県内全域(全県1学区)から、住んでいる地域に関係なく志望校を選ぶことができます。

最大2校を受験できる「複合選抜制度」

愛知県の入試制度における大きな特徴が「複合選抜制度」です。これは、公立高校の一般選抜において最大2校まで出願できる仕組みです。

各高校は「Aグループ」と「Bグループ」のいずれかに振り分けられています。受験生は、このA・Bそれぞれのグループから1校ずつ選び、第1志望と第2志望として受験することができます。

  • 普通科の場合:原則として、同じ学区・同じ群に属するAグループの学校とBグループの学校を1校ずつ選びます
  • 専門学科・総合学科の場合:学区や群の制限がないため、県内全域から自由に組み合わせて出願できます

この制度により、第一志望の学校に合格できなかった場合でも、第二志望の学校で合格のチャンスが得られます。なお、5教科の学力検査(マークシート方式の筆記試験)は全校共通の問題で1回のみ実施され、その結果が両方の志望校の判定に使用されます。

【参考】 「令和8年度愛知県公立高等学校入学者の募集について」 (愛知県教育委員会高等学校教育課)

「内申点」と「当日点」による「校内順位」で合否を決定

一般選抜の合否は、中学3年生の成績と入試当日の学力検査の得点を合計し、その結果をもとに決定されます。

  • 評定得点(内申点):中学3年生の9教科の通知表の評定(5段階)を合計し、2倍した数値(最高90点)が用いられます。一部の学科(美術科・音楽科・スポーツ科学科・国際系の学科など)では、関連教科の評定を1.5倍する「傾斜配点」が設定されている場合もあります
  • 学力検査の合計得点(当日点):国語・数学・社会・理科・英語の5教科(各22点満点)の合計点(最高110点)です

この2つの点数を、各高校・学科が定めた比率(I型・II型・III型・IV型・V型)で合算し、総合得点を算出します。この比率は、学校によって「内申点重視か」「当日点重視か」のバランスが異なります。

算出された総合得点に基づいて受験生を順位付けした「校内順位」の定員内に入っているかどうかで合否が決まります。同じ学校を志望している受験生同士の校内順位で合否が決まるというイメージを持っておくとよいでしょう。

【参考】 「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度が変わります!」 (愛知県)

学力だけではない多様な選抜方法

多くの生徒が受験する「一般選抜」以外にも、愛知県では生徒の多様な能力や個性を評価するための選抜方法が用意されています。

例えば、2023年度から導入された「特色選抜」は、学力検査だけでは測りきれない生徒の個性や意欲を重視する制度です。部活動や課外活動での実績、特定の分野への強い関心などを多角的に評価し、合否を判定します。

このように、学力検査の点数だけではなく「どんな活動をしてきたか」「どんなことに興味・関心があるか」といった部分も評価される入試制度になってきています。

【愛知県の公立高校入試】選抜方法の種類

愛知県の公立高校入試の選抜方法には、学力検査を行う「一般選抜」に加え、中学校長の推薦が必要な「推薦選抜」、面接やプレゼンテーションで個性を評価する「特色選抜」などがあります。推薦や特色選抜は検査内容や時期が異なるため、自分に合った受験方式を見極めることが合格への近道です。

一般選抜

多くの受験生が利用する選抜方法です。

志願可能数Aグループ、Bグループから各1校、計2校まで(複合選抜制度)
合否判定内申点と当日点を比率に応じて合算し、「校内順位」によって決定
検査内容5教科の学力検査(マークシート方式)。面接の実施有無は各高校が決定します。一部の学科では実技検査も行われます
実施時期2月下旬ごろ

推薦選抜

中学校長の推薦を受けて出願する制度です。一般選抜とは異なり、学力検査は行われません。

出願資格中学校長の推薦が必要
定員枠(目安)普通科:募集人員の10〜15%程度
専門学科・総合学科:募集人員の30〜45%程度
検査内容面接。一部の学科(音楽科、美術科、スポーツ科学科など)では、実技などの特別検査が実施されます
実施時期2月上旬ごろ

特色選抜

各高校や学科の教育の特色や地域性を活かし、生徒の個性や能力を評価する選抜方法です。専門学科や総合学科、特色あるコースを持つ普通科などで実施されています。

出願資格各高校が独自に設定
定員枠募集人員の20%程度を上限に各高校が設定
検査内容面接に加え、作文、基礎学力検査、プレゼンテーション、実技検査の中から、各高校が指定するものを実施
実施時期2月上旬ごろ

「この分野を頑張ってきた」「この学校でその力を伸ばしたい」といった強みをアピールしやすい選抜方法です。

その他の選抜

特定の条件に当てはまる生徒を対象とした選抜方法もあります。

連携型選抜連携型中高一貫教育を行っている高校(美和・衣台・福江・新城有教館作手校舎・田口など)が実施します。連携する中学校の卒業見込みの生徒が対象で、面接と「学習のまとめ」の発表などで選考されます。
全日制単位制選抜全日制単位制高校(守山、日進など)で実施されます。中学2・3年のいずれかの学年、または両方の学年で、年間の欠席日数が30日程度以上ある生徒などが対象です。面接に加え、基礎学力検査や作文などで選考します。
海外帰国生徒選抜保護者と共に海外に2年以上在住し、帰国後2年以内などの条件を満たす生徒が対象です。面接と3教科(国語・数学・英語)の学力検査が行われます。
外国人生徒等選抜本人または保護者が外国籍で、来日後6年以内などの条件を満たす生徒が対象です。個人面接と3教科の学力検査が実施されます。

<2026年度からの変更点>
外国人生徒等選抜において、これまで「募集人員の5%程度まで」とされていた定員枠が、2026年度(令和8年度)より「募集人員の5%以上」へと拡大されます。実際の募集人数は各学校の校長が決める仕組みで、これまでより多くの枠を設けやすくなります。これにより、外国にルーツを持つ生徒の進学機会が広がることが期待されています。

※具体的な条件や実施内容は年度によって変更される可能性があるため、必ず最新の募集要項や教育委員会の情報を確認してください

【出典】 「「入学者選抜方法の概略」(令和8年度版リーフレット)」 (愛知県)

愛知県の高校入試の仕組み変更に対応した学習方法で合格を目指そう

ここまで解説してきたように、愛知県の公立高校入試は「複合選抜」などの独自制度に加え、選抜区分の多様化や調査書の様式変更など、時代に合わせて変化を続けています。

複雑な仕組みを正しく理解し、志望校の選抜方式や重視されるポイントに合わせて、早いうちから計画的に学習を進めることが合格への鍵となります。2027年度以降も学力が合否において大きな割合を占めることが予想されるため、基礎学力の定着と応用力の養成が欠かせません。

「仕組みが難しくて、どの高校を選べばいいかわからない」
「制度変更に対応した学習ができているか不安」

このような悩みをお持ちの方は、愛知県の入試事情に精通したプロのサポートを受けるのも一つの方法です。

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愛知県の公立高校入試の仕組みに関するQ&A

愛知県では公立高校を2校受けられるって本当ですか?

はい。愛知県の高校入試の仕組みである「複合選抜制度」により、一般選抜では最大2校まで受験可能です。AグループとBグループからそれぞれ1校ずつ志望校を選び、第一志望と第二志望として出願します。一度の学力検査の結果をもとに両方の高校で判定が行われるため、合格のチャンスが広がることが大きな特徴です。

内申点はどのように計算されるのですか?

愛知県公立高校入試の内申点(評定得点)は、中学3年生の9教科の通知表(5段階評価)を合計し、それを2倍した数値(最高90点)で計算されます。美術や音楽など特定の学科では傾斜配点がある場合もあります。この内申点と当日の学力検査の合計点で合否が決まる仕組みですが、高校ごとに比率が異なるため、志望校の傾向を確認することが大切です。

愛知県の公立高校入試は、2027年度から入試はどのように変わるのでしょうか?

2027年度(令和9年度)の愛知県公立高校入試から、中学校が作成する調査書の様式が変更されます。具体的には「出欠の記録」「行動の記録」「性別」の記載が削除されます。

「群」や「グループ」って何ですか?

愛知県の尾張学区では高校が「第1群」「第2群」に分かれており、原則として同じ群の中からAグループとBグループの高校を組み合わせる仕組みになっています。三河学区には群分けはありません。このグループ分けは複合選抜制度を利用する際に重要で、自分が受験したい高校がどの群・グループに属しているかを事前に確認して出願する必要があります。

面接試験はすべての高校で実施されますか?

いいえ。一般選抜における面接の実施有無は、各高校が独自に決定します。一方、推薦選抜や特色選抜では、面接が重要な評価対象となります。志望する高校が面接を実施するかどうかは、毎年発表される募集要項で必ず確認し、必要に応じた対策を行うようにしてください。