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大学受験の費用は数十万円!内訳・出費の節約方法・資金の準備の仕方を解説

2024.09.17

大学受験には、さまざまな費用が必要です。しかし大学受験にかかる費用は、国公立大学か私立大学を受けるのか、理系か文系かなどでも大きく変わってきます。志望校によっては、思っていた以上に費用がかかる場合もあるため、あらかじめ資金を準備しておくことは重要です。しかし「大学受験にはいくらくらい費用がかかるのか」と不安に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大学受験にかかる費用や出費を抑える方法、費用に不安がある場合の対処法 について解説します。

◆本記事の目次

大学受験にはどのような費用がかかるの?

大学受験には、大学入学共通テストの受験料(検定料)や国公立大学および私立大学の受験料(検定料)が必要です。他に願書の請求や出願費用、交通費、宿泊費など細かい出費もあります。
受験対策などで普段の塾の月謝に追加で費用がかかりますし、合格後は入学金(入学料)を支払わなくてはいけません。それぞれがいくらくらいかかるのか、目安となる金額を解説します。

●大学入学共通テストの受験料 (検定料)

大学入学共通テストは受験する科目数によって受験料が変わります。3教科以上の受験であれば18,000円かかり、2教科以下の受験であれば12,000円で済みます。成績通知を希望する場合には、いずれの場合も手数料がプラス800円かかるので注意が必要です。

●国公立大学の受験料(検定料)

国立大学の2次試験は、文部科学省の平成22年度の発表によると17,000円です。一方、公立大学は学校によって受験料が異なります。京都府立大学と滋賀県立大学は17,000円ですが、2022年4月に新設された大阪公立大学(大阪府立大学と大阪市立大学が統合)は30,000円です。

●私立大学の受験料(検定料)

私立大学の受験料も学校によって異なるので注意が必要です。相場は30,000~35,000円程度ですが、学部によってはより高額なところもあり、医学部や歯学部をはじめとする理系の学部は40,000~60,000円程度かかります。

このように、入学検定料は大学ごとに異なり、受験方式によってもさまざまなため、受験費用がいくらかかるのか気になる方は、自分の志望校の公式サイトをチェックしておきましょう。

●願書の請求・出願 費用

入試を受けるために必要な願書を取り寄せたり、大学へ願書を郵送したりするときにも費用がかかります。国公立大学は願書が無料ですが、私立大学は300円~1,000円前後かかる大学もあります。願書を郵送する場合は、郵送代が必要です。

●交通費・宿泊費

共通テストの試験会場が遠方の場合は、交通費や宿泊費がかかります。特に、国公立大学の場合は遠隔地受験がなく、受験生が現地まで行かなければならないので、注意が必要です。

●塾代・教材費

志望校合格を目指して勉強に励む子どもを塾に通わせたり教材を購入したりする場合もあります。塾代は入塾するところによって大きく異なります。なかには大学入試共通テストを想定したパック商品を販売している塾もあるため、気になる方はパンフレットや説明会で確認しておきましょう。

●入学金(入学料)

試験に合格したら、入学する可能性のある大学は、納入期限に間に合うように入学手続きを済ませておきましょう。
国公私立大学それぞれの入学金費用の相場は、推移の調査結果によれば、2023年時点で国立大学は282,000円、公立大学は374,371円、私立大学は240,806円となっています。これは、2022年度よりも下がっているのですが、授業料が上がっているので総額では上がっており、いずれ入学金も上昇し、この傾向は続くと予想されています。


大学受験の費用を抑える方法

大学受験には、入学金なども含めると数十万近くかかる場合がほとんどですす。入学後も費用がかかることを考えると、大学受験の費用を抑える方法を受験前に知っておくことは大切です。
大学受験の費用を抑える方法を5つご紹介します。

●大学入学共通テストの結果が使える大学を受験する

大学入学共通テストの結果をもとに合否を判断する大学を受験すれば、入学検定料が少し安くなるケースもあり、受験費用を節約できます。後日改めて試験を個別に受験する必要がないため、受験会場までの交通費・宿泊費も抑えられます。

●家族・親戚・知人の家に泊めてもらう

遠方へ受験しに行く場合、家族や親戚、知人の家に泊めてもらうことで、宿泊費の削減につながります。知っている人のところで宿泊できるため、保護者も安心です。

●地方試験を活用する

最近は受験方法が多様化しており、私立大学の場合、大学まで出向かなくても受験可能な「地方試験」を実施しているところもあります。

例えば、東京都内にある大学の入試を、仙台・名古屋・大阪・福岡でも受験できるのが地方試験です。地方試験は交通費・宿泊費の削減につながるので、地方にお住まいの方におすすめの受験方法といえます。

●WEB出願制度を活用する

受験にかかる費用を少しでも抑えたい方は、WEB出願制度と呼ばれる「郵送ではなく、インターネット上で願書を提出する制度」を活用しましょう。すべての大学ではありませんが、インターネット出願をすれば、受験料が割引になるところもあります。

●大学によっては割引制度を用意している場合もある

同じ大学の違う学部学科を受ける、同じ学部を複数の受験方式で受験するなど、大学によっては割引制度を用意している場合があります。第一志望の大学を何度か受験したいときや、受験する学部や学科を絞りきれていないときにおすすめです。


大学受験の費用について保護者が気をつけること

大学受験の費用を抑えたとしても、ある程度の出費は必要です。そのためにも、保護者は早い時期から準備をする必要があります。費用を抑えることでいくつかデメリットが生じるため、注意が必要です。プレッシャーを与えすぎないためにも、受験を控えた子どもの前ではお金の話をするのは最小限にしましょう。

●費用の準備はできるだけ早い時期から始める

大学受験は金銭的な面で教育費負担が大きく、1人あたり数十万円にもなることもあります。
兄弟姉妹がいる場合は、単純計算しても合計で数十万円×人数分の資金が必要なので、できるだけ早い時期からコツコツ準備し始めるのがいいでしょう。

費用の捻出に困ったときは、学資保険を使うのも1つの手段です。学資保険は、子どもの教育費を貯めることを目的とした保険で、お金を強制的に貯められたり、税制面での優遇があったりといくつかメリットがあります。途中で解約すると損をする場合や物価変動に対応できないといったデメリットもあるので注意しましょう。

●受験のための費用を減らすことによるデメリットも発生する

受験の費用を減らそうとして塾代を抑えすぎると、子どもの学力が伸び悩む恐れがあります。成績が下がってしまったら、当初の第一志望を諦めることになりかねません。受験校を減らしすぎて合格した学校がなかった場合、子どもが浪人するケースもあります。

浪人した場合は来年もう一度受験料を払うほか、塾・予備校代が必要になる場合もあるのです。

●子どもの前でのお金の話は最小限にする

子どもの前で「受験費用がかかる」などお金の話はなるべくしないようにしましょう。お金のことを気にしすぎて、合格する可能性があるのに子どもが志望校を諦めてしまうかもしれません。

子どもに「うちは家計が厳しいから絶対に合格しなければ」と必要以上にプレッシャーを与えることもあります。そのため、「出願できる学校数は大学〇校、私立〇校くらいかな」という程度にとどめておくとよいでしょう。


志望大学に合格後も費用がかかることを覚えておこう

志望大学に合格した後も費用が必要です。合格後には入学金や授業料のほかに教材費がかかります。自宅から離れる場合は、引っ越し費用や家具などの購入や、毎月の家賃も必要です。公共交通機関を利用して通学する場合は、交通費や定期代もかかります。
以下で、詳しく解説します。

●入学金

入学金費用の相場は、2023年度の場合、国立282,000円、公立374,371円、私立240,806円で、入学するのに大体30~40万円前後は必要です。夜間は国公私立ともに、昼間の約半額の費用で通えます。

●授業料

年間授業料の相場は、国立535,800円、公立536,191円、私立959,205円となっており、私立は国公立に比べて高額であることがわかります。入学金と同様に授業料も、夜間は国公私立いずれも昼間の約半額です。

●教材費

大学の授業でも教科書を使用します。書店で販売している書籍や新書、参考書が多いので、生協や古本屋で購入したり、先輩から譲り受けたりすると費用を抑えられます。ただし、中古の教科書は刊行された年月が古いため内容に注意が必要です。

●引っ越し・家具購入の費用

大学進学を機に、一人暮らしを始める学生も一定数います。不動産会社に払う手数料、家具の購入費、引っ越し代などが必要です。費用を抑えたいときは、学生寮を併設している学校を探すのも1つの手段だといえます。毎年2月~3月になると新入生の住まい探しが集中して、いい物件ほどすぐに契約が決まってしまいます。合格したら、すぐに一人暮らしの準備を始めましょう。

●交通費・定期代

自宅から、もしくは大学から少し離れた一人暮らしのアパートから通学する場合は、交通費・定期代がかかります。交通機関によっては学割が使える場合もあるため、入学前にチェックしておきましょう。


大学受験の費用が心配なときは奨学金の利用も検討しよう

大学受験の費用が捻出できるか気がかりなときは、奨学金の利用も検討してください。ただし、大学卒業後に返済の義務が生じる場合もあるので、あらかじめ家族で話し合っておくことが大切です。

ここからは、代表的な奨学金「日本学生支援機構」「自治体が行っている奨学金制度」「大学独自の奨学金制度」の3つについて解説します。

●日本学生支援機構

日本学生支援機構の奨学金は「経済的に就学が困難な優秀な学生を金銭的に援助する」ことが特徴です。貸与型と給付型、無利子と有利子といった具合に、学内における個々人の成績に応じたさまざまな奨学金制度が設定されています。

また、自宅か自宅外か、家計の状況などによって受けられる金額が異なるので、自分がいくら受けられるのか事前に金額を把握しておきましょう。

●自治体が行っている奨学金制度

自治体が独自に用意している奨学金制度には給付型と貸与型がありますが、両者の違いは「返還の義務があるかどうか」だといえます。

給付型は文字通り返還不要ですが、貸与型は社会人になってから返還が必要です。また、自治体によっては日本学生支援機構などの奨学金制度と併用できるケースとできないケースがあるため、自治体だけでなくほかの奨学金の活用も検討している方は事前にチェックしておくとよいでしょう。

●大学独自の奨学金制度

大学が独自に展開している奨学金制度は、成績優秀な学生や経済面で不安がある学生、自然災害などの影響で実家の収入が安定しない学生などを対象としています。返済しなくてよい給付型の奨学金を実施している学校もあるため、制度の活用を視野に入れている方は、大学の公式サイトや、学生課・奨学金専門の担当者に確認しておきましょう。

上記の奨学金のほかに、日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)を利用する方法もあります。受験料や受験のために必要な交通費、宿泊費の利用も可能です。日本学生支援機構の奨学金と併用できるメリットもあるので、相談してみるのもいいでしょう。


大学受験には費用がかかる一方で、対処法も数多く存在する

大学受験には、受験料のほかに願書の請求や出願、試験会場への交通費、合格時の入学金などを合わせると数十万円もの費用がかかります。成績向上のためには、塾代も必要です。
費用を抑えるためには、大学入学共通テストの結果が使える大学を受験するなど、さまざまな方法があります。

入学後も授業料などがかかることを考えると、保護者は大学受験の費用の準備をできるだけ早い時期から始める必要があるでしょう。受験のための費用を減らすことによるデメリットがある点や、子どもの前でのお金の話は最小限にするなどにも注意が必要です。大学受験の費用が心配なときは奨学金の利用も検討しましょう。

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