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【古典が苦手な人向け】古文と漢文の勉強法|効率的な成績UPのコツ
古文や漢文などの「古典」に苦手意識を持っている受験生・高校生は少なくありません。問題を解いているものの、なかなか勉強の成果が出ないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、古典の効果的な学習方法を徹底解説します。古文・漢文の勉強法をそれぞれ詳しく説明しますので、定期テスト対策や受験戦略に役立ててください。
◆本記事の目次
古典(古文・漢文)の問題を解くために必要なこと
古文や漢文などの古典は、感覚で解けるように思われがちですが、実際は英語のように別の言語として認識すべき教科です。まずは古典の問題を解くために必要なポイントから紹介していきます。
●単語や文法
古典で使う単語や文法は、同じ漢字やひらがなを使う言葉であっても、現代の日本語とは根本的に異なると考えましょう。そのため、まずは単語や文法知識を理解するところから始めてください。
よく理解しないまま、いきなり問題集を解くところから始める人も多いのですが、効率的な勉強法とはいえません。
●古文・漢文常識
古文・漢文常識が身につけば作品の理解も深まるので、読解力の向上につながります。古文・漢文常識とは、古文・漢文が使われていた頃の文化や風習などの時代背景に関する知識です。古典として扱われている作品には、現代とは異なる価値観が存在しています。設問箇所の時代に関する知識を習得しておけば、読解のヒントになるでしょう。
●読解力
古典をすらすら読み解くためには、単語や品詞ごとに文章を分解して理解するための読解力が不可欠です。
古典文法や単語への理解を深め、古文・漢文常識を身につけることは大切ですが、インプットしただけでは成績を大きく伸ばすことはできません。ある程度の基礎力がついたら、次のステップである「読解力」を身につけることを意識してください。大学入試や共通テストで高得点を狙うためには、限られた時間の中ですばやく解答する必要があります。たくさん問題を解く、文章を読むなどして、ひたすら古文・漢文に慣れる努力をしましょう。
【古典の勉強法】「古文」が苦手な人に試してほしい勉強の手順
ここからは「古文」の具体的な勉強方法について紹介していきます。重要なのは古文文法と単語を正しく理解した上で問題を繰り返し解き、読解力を養うことです。詳しく解説していきますので、古文に苦手意識がある人はぜひチェックしてみてください。
STEP1.単語・文法の暗記
古文を得意科目にするためには、段階を踏んだ学習計画を立てることがポイントになります。特に苦手意識がある人は、単語と文法を覚えることを優先しましょう。
古典の単語の中には、現代語と全く異なる使い方をするものや、複数の意味を持つ単語「多義語」も多いので注意が必要です。単語の暗記をおろそかにすると、長文読解の際に全く別の解釈をしてしまう可能性があります。
「多義語」を覚えるコツは、すべての意味を一度に暗記しようと思わないことです。毎日少しずつでも繰り返し学習して、覚えていきましょう。
古文の大学受験勉強において、暗記が必要な単語数は300語ほどです。古文の単語帳を作ってコツコツと暗記するだけで、確実にテストの点数は上がっていきます。
耳からもインプットされるので、暗記には音読がおすすめです。教科書や参考書、単語帳を繰り返し声に出して読んで、読み方や意味を覚えるよう心掛けてください。
例1
<単語名>うつくし
意味:かわいらしい
現代の日本語の場合:美しい
例2
<単語名>はづかし
意味:立派だ
現代の日本語の場合:はずかしい
単語の暗記と並行して、古典文法も学習しましょう。文法に関しては、「活用形」「助詞・助動詞の意味」「単語の識別」を軸にすると効率よく学習できます。
例
秋来ぬと……
(解説)
秋こぬと(秋がこない)
秋きぬと(秋がきた)
「と」の上は終止形→正解は「秋きぬと」
動詞の活用法と助詞・助動詞の意味が理解できれば、品詞分解ができるようになり正確に古文が読めるようになるのです。文法を暗記することで文脈の理解力が高まり、長文を読むための準備が整います。部分得点にもつながる重要な要素なので、しっかりマスターしましょう。
STEP2.長文読解の演習
古文読解のポイントは、とにかく数をこなして慣れることです。演習問題を何度も解いて、文と文のつながりの読み解き方を覚える必要があります。特に、古文は主語が省略されている・敬意の方向がわかりづらいという特徴があるので、文章を読み進めながら読解の手がかりをつかむことが大事です。
例)横川の恵心僧都の妹、安養の尼のもとに、強盗入りにけり。あるほどの物どもみな取りて、出でていにけり。尼上、紙のふすまといふ物ばかりを引き着て居られたりけるに、姉なる尼のもとに、小尼上とてありけるが、走り参りてみれば、小袖を一つ落としたりけるを取りて、「これ落として侍るなり。奉れ」とてもて来たりければ、尼上、「それを取りて後は、わが物とこそ思ひつらめ。主の心ゆかざらむものをば、いかが着るべき。いまだ遠くはよもゆかじ。とくとく呼び返して取らせさせ給へ」とありければ、門のかたへ走り出でて、「やや」と呼び返して、「これを落とされにけり。確かに奉らむ」といひければ、盗人ども立ちとどまりて、しばし案じて、「あしく参りにけり」とて、取りたる物どもさながら返し置きて帰りにけり。
(問題)盗人が盗んだものを返したのはなぜか。「慈悲」という語を用いて20字以内で答えなさい。
答え.安養の尼上の慈悲深さに心打たれたから。
復習を重ねることで古文常識も自然と身についていきます。解き方のコツがつかめれば、長文読解も怖くありません。
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【古典の勉強法】「漢文」が苦手な人に試してほしい勉強の手順
漢文に苦手意識を持っている学生は多いですが、大学入試で出題される内容の多くは、訓読を完璧にすると問題なく解くことができます。漢文の勉強を始めると、意外に高得点が取れたという声も多いようですので、一度は挑戦してみてもいいかもしれません。
STEP1.句法の暗記
漢文は古文とは異なり、ひらがなのない漢字のみで構成された文章です。まずは漢文の読み方のルールである「訓読」を理解しましょう。
漢文では、訓読文を書き下し文へスムーズに直せることが重要なポイントになります。「書き下し文」とは、日本人が中国の言葉である漢文を読みやすいように訓点をつけたもののことです。慣れないうちは、漢文を書き下し文にしてから文章を読み、読解するといいでしょう。慣れてくると目視で訓読するだけで内容が理解できるようになります。
漢文の訓読を理解する際は、最初に句法をしっかりと覚えることが大切です。高得点を狙うならまずは句法をマスターしましょう。
書き下し文を読みながら文章で覚えると、句法だけでなく返り点や単語も併せて学習できるのでおすすめです。古文単語の勉強法で紹介したように、音読するとインプットされやすくなります。
過去問のデータを参照すると、センター試験や共通テストで出題された漢文の平均点は5~6割程度なので、実はそこまで難易度は高くありません。訓読をしっかりマスターすれば、高得点が期待できるでしょう。
現代文:石で口をすすぎ、川の流れを枕にする
意味:屁理屈や言い訳を並べ、言い逃れをするという意味を持つ「漱石枕流」という四字熟語
STEP2.長文読解の演習
句法をある程度インプットできたら、長文読解の学習に進みましょう。おすすめの勉強法は、以下ができるようになるまで何度も同じ演習問題を解くことです。
・長文の書き下し文を読めるようになる
・全体の意味を理解できるようになる
問題を解いたら、必ず和訳と本文を見比べながら答え合わせをして、解説までしっかり目を通してください。自分の解釈に抜け漏れがないか確認することが習得への近道です。
例
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
故人西辞黄鶴楼
煙花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
唯見長江天際流
古典の勉強法は「基礎を固めてから読解に慣れる」
古典は感覚でなんとかなると思われがちな教科です。しかし、現代文にはない文法や読み方が使われているため、外国語を一から学ぶような気持ちで基礎から取り組むことが大切になります。単語や文法をしっかりマスターしましょう。
入試で配点が高いのは長文読解問題なので、前後の文章との相互理解や文脈理解力も求められます。長文読解のコツはひたすら数をこなして慣れることです。教材の解説と自分の解釈が一致しているかどうか比較することも重要になります。
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