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二次試験とは?国公立大学の入試の種類や流れ、受験の特徴

2023.06.28

近年、大学受験は多様化しており、入試の種類や特徴もさまざまです。志望校合格のためには、こうした入試の仕組みを理解し、対策を講じる必要があります。中でも、募集人員の多くを一般選抜が占める国公立大学を受験する場合、大学入学共通テストと二次試験を想定した受験対策が重要です。

この記事では、国公立大学の二次試験の概要や受験の特徴について詳しく解説していきます。入試の種類やスケジュールについても紹介しますので、国公立大学の受験を視野に入れている人はぜひチェックしてみてください。

国公立大学の二次試験とは?

二次試験とは、主に国公立大学の一般選抜で実施される、各大学が独自に行う個別学力検査のことです。
共通テストを受験していれば、出願は原則誰でも可能ですが、志願者数が募集人員を大幅に超えた場合には「第一段階選抜(足切り)」が行われることがあります。その場合、共通テストの成績が基準に満たない受験生は二次試験を受験できません。

目的:大学が求める学生像を見極める

二次試験の大きな目的は、大学側が「自分たちの大学が求める学生像に合致するか」を判断することにあります。各大学は「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)」を定めており、それに沿った能力や資質を持つ学生を選抜するために、独自の試験問題を課しているのです。
そのため、単なる知識量だけでなく、知識の応用力や論理的な思考力、学部・学科で学ぶ内容への専門性、さらには記述力や表現力といった総合的な力が評価されます。

内容・形式:大学独自の記述問題で思考力を問う

共通テストがマークシート方式で基礎的な知識を問うのに対し、二次試験では各大学・学部が個別に対策の必要な独自問題を作成します。受験生の思考力や表現力を測るため、記述・論述式の問題が多く出題されるのが大きな特徴です。試験科目は大学や学部によって異なり、文系学部では小論文、理系学部では理数系の複数科目が課されたり、面接や実技が実施されたりする場合もあります。

日程と受験ルール:分離分割方式で最大3回受験できる

国公立大学の二次試験は、試験日が主に「前期日程」と「後期日程」に分けられています。一部の公立大学では、前期と後期の間に「中期日程」を実施するところもあります。この仕組みを「分離分割方式」と呼び、受験生はそれぞれの試験日程で1校ずつ、最大で3つの国公立大学を受験することが可能です。ただし、中期日程を実施する大学は限られているため、すべての受験生が3回受験できるわけではありません。

合否判定:共通テストとの総合評価で決まる

最終的な合否は、共通テストの成績と二次試験の成績を、大学が定めた配分で合算し、総合的に評価して決定されます。どちらの点数を重視するかという配点比率は、大学・学部によって異なります。

重要性:志望校に特化した対策が合否を分ける

配点比率によっては、二次試験の結果次第で共通テストの点差を覆す、いわゆる「逆転合格」も十分に起こり得ます。共通テストで思うような点数が取れなくても、二次試験で高得点を獲得できれば合格の可能性は残されています。だからこそ、志望校の出題傾向に合わせた「個別対策」が重要になるのです。

【豆知識】国公立大学と私立大学の入試の違いとは?

国公立大学の一般選抜が「共通テスト+二次試験」を基本とするのに対し、私立大学の入試はより多様です。大学独自の試験のみで合否が決まる方式や、共通テストの成績を利用する方式など、大学・学部によってさまざまな選択肢があり、併願もしやすいのが特徴です。

より詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
参考コラム:大学入試の種類と仕組み|受験勉強の前に押さえておきたい基礎知識

【2026年度】国立大学入試の一般選抜スケジュール

2026年度入試における、国立大学の一般選抜スケジュールは以下の通りです。公立大学も多くはこの日程に準じますが、必ず各大学の募集要項で正確な日程を確認してください。

項目日程(2026年度)
共通テスト本試験1月17日(土)・18日(日)
共通テスト追試験1月24日(土)・25日(日)
二次試験(個別試験)出願期間1月26日(月)~2月4日(水)
前期日程 試験2月25日(水)~
前期日程 合格発表3月6日(金)~3月10日(火)
前期日程 入学手続締切3月15日(日)
後期日程 試験3月12日(木)以降
後期日程 合格発表3月20日(金)~3月24日(火)
後期日程 入学手続締切3月27日(金)
追加合格者決定3月28日(土)~
追加合格 入学手続締切3月31日(火)

スケジュールを見てわかる通り、共通テスト終了後、自己採点をしてから二次試験の出願校を最終決定するまでの期間はあまり長くありません。特に出願期間は約10日間とタイトなため、あらかじめ複数の出願パターンを想定しておくことが重要です。

【出典】 「国立大学の2026年度入学者選抜についての実施要領」 (一般社団法人 国立大学協会)

国公立大学の入試で二次試験を受けるまでの流れ

それでは、実際に国公立大学の二次試験を受けるまでの具体的なステップを見ていきましょう。

Step1.大学入学共通テストに出願する

国公立大学の受験は、大学入学共通テストへの出願から始まります。ただし、出願方法は現役生と既卒生により異なるため要注意です。現役生の場合は高校経由で出願を、既卒生の場合は個人で直接出願を行うのが一般的なので、覚えておきましょう。

Step2.大学入学共通テストを受験する

大学入学共通テストは、原則としてマークシート方式で実施されます。受験生は、6教科30科目の中から志望校が指定する教科や科目を選択して受験する必要があります。多くの国公立大学では、5教科7科目が一般です。

Step3.志望する国公立大学に出願する

共通テストの自己採点結果と、事前に調べておいた各大学のボーダーラインなどを参考に、受験する国公立大学(前期・中期・後期)を決定します。そして、定められた出願期間内に、インターネット出願や必要書類の郵送を行います。

Step4.二次試験を受験する

共通テスト受験後、第一段階選抜(足切り)に通過した受験生には二次試験の受験票が送られてきます。多くの大学で募集人員の大半を占める前期日程を中心に、受験計画を立てましょう。前期日程で不合格だった場合には、中期日程や後期日程を受験します。

Step5.合格発表を確認し、入学手続きを行う

志望校に合格したら、速やかに入学手続きを行いましょう。決められた期日までに、入学金の納付や必要書類の提出を済ませます。入学金は後に入学を辞退したとしても原則として返金されないため、その点にも留意しましょう。

国公立大学二次試験の対策ポイント

国公立大学の二次試験で合格を勝ち取るには、志望校の傾向に合わせた計画的な対策が不可欠です。
ここでは、対策を始める時期の目安と、具体的な対策ポイントをご紹介します。

一般的に、高校3年生の夏休み(7月~8月)までに各教科の基礎固めを終え、9月から11月にかけて二次試験対策に本格的に取り組むのが効果的とされています。共通テスト対策と並行しながら、志望校のレベルに合わせた記述対策などを進めていく必要があります。

志望校の傾向を把握する

まずは、志望校を深く理解することから始めましょう。最初に志望校の「アドミッション・ポリシー」に目を通し、大学がどんな能力を持つ学生を求めているのかを理解します。
次に、過去問を3~5年分は確認し、出題形式、頻出分野、全体の難易度を徹底的に分析します。
同時に、共通テストと二次試験の「配点比率」も確認してください。二次試験の配点が高い「二次重視型」なのか、バランスの取れた配分なのかによって、今後の学習の優先順位が変わってきます。大学のウェブサイトなどで入試要項をチェックし、出題傾向に変化がないかも確認しましょう。

過去問演習で「解く力」と「解答の型」を鍛える

志望校の傾向をつかんだら、ひたすら過去問演習を繰り返しましょう。本番と同じように時間を計って解き、実戦経験を積むことが重要です。

特に記述・論述問題では、ただ書くだけでなく、大学が求める「解答の型」を意識することが得点アップの鍵です。模範解答を参考に、論理的な構成やキーワードの盛り込み方を学びましょう。間違えた問題は、なぜ間違えたのか原因を分析し、繰り返し解き直して知識を完全に定着させることが大切です。時間配分の練習も忘れずに行い、本番で焦らず実力を発揮できるように準備しておきましょう。

論述解答は必ず添削を受ける

記述・論述問題の対策では、独学だけでは難しい点もあります。自分では完璧だと思った解答も、第三者から見ると論理の飛躍や説明不足が見つかるものです。自分の解答を客観的に評価してもらうため、学校の先生や塾の講師に添削をお願いしましょう。

的確なフィードバックを受けることで、部分点を稼ぐための書き方や、より採点者に伝わる表現方法が身につき、得点力の向上が期待できます。

より志望校に特化した対策を行いたい場合は、学習塾の活用が効果的です。多くの塾には、志望校の採点基準や合格者の解答レベルを熟知した講師が在籍しており、「どこが評価されるのか」「何が足りないのか」を的確に指摘してもらえます。「京進の個別指導 スクール・ワン」は先生1人に生徒2人の個別指導なので、「解説」と「演習」をバランス良く行い、じっくり考える力を高めることができます。

国公立大学の二次試験についてよくある疑問

ここでは、受験生の皆さんからよく寄せられる、二次試験に関する疑問にお答えします。

二次試験後の入学手続きは何校までできますか?

前期日程で合格し、その大学に入学手続きを済ませると、その時点で中期や後期日程の合格資格は失われます。後期試験を受験すること自体は可能ですが、すでに前期で手続きしている場合は、後期で合格しても入学は認められません。

二次試験は部分点がありますか?

はい、多くの場合あります。国公立大学の二次試験は記述式問題が中心のため、最終的な答えが間違っていても、途中の考え方や計算過程が正しければ部分点が与えられるケースが一般的です。
ただし、採点基準は大学や学部によって異なるため、必ずしも全問で部分点がつくとは限りません。最後まで解答を記して、思考の過程を示すことが大切です。

二次試験の倍率や難易度が気になります

倍率は日程によって大きく変動します。一般的に、募集人数が少ない後期日程は、前期日程に比べて倍率が高くなる傾向があります。
また、前年の倍率や入試科目の変化で志願者が増減する「隔年現象」が起こることもあります。倍率は気になる要素ですが、それに一喜一憂するのではなく、志望校で学びたいか、そして自分の学力で合格の可能性があるかを冷静に見極めることが重要です。

国公立大学の二次試験は志望校を明確にして対策を!

国公立大学の二次試験は、共通テストで測られる基礎学力に加え、大学・学部で学ぶために必要な思考力や表現力が問われる、まさに総合力が試される試験です。合格を勝ち取るためには、早い段階から志望校を明確に定め、その大学の出題傾向に合わせた専門的な対策を粘り強く続けることが不可欠です。

京進の個別指導 スクール・ワン」では、ひとりひとりの志望校と学力に合わせた「完全志望校別対策×ひとりひとりの特徴別対策」を掲げ、目標達成を全力でサポートします。個別の解説授業では、志望校の過去問を使い、試験時間内に解き切る練習や、問題の優先順位を決めて合格点をとるための実践的な指導が受けられます。

無料の体験授業や資料請求も受け付けておりますので、二次試験対策にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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