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【中学受験】社会の勉強で大切なことは?分野別の出題範囲や対策方法
「中学受験を検討しているため、社会の対策も今から十分にしておきたい」
「社会の中学入試に関する傾向を知っておきたい」
このような考えを持っている中学受験を控えた小学生や保護者の方もいるでしょう。入試では国語や算数に目が向きがちですが、得点源の一つとして社会の勉強も欠かせないものです。
この記事では、中学受験における社会の重要性や近年増えている問題の傾向、中学受験で出題されやすい社会の範囲とおすすめの勉強を紹介します。中学受験を考えている方はぜひ参考にしてください。
◆本記事の目次
中学受験における社会の重要性
中学受験の勉強においては、問題演習が必要な数学や国語に時間を割きがちなため、社会科は後回しになりやすいものです。社会の勉強は暗記が基本であり、暗記科目は重要な得点源の一つです。そのため、社会の勉強も手を抜かず、対策しておくことが大切です。
また、中学受験において社会が大切な理由としては、多面的な思考力や課題解決能力を養える点も挙げられます。社会は歴史や地理、公民など、さまざまな分野から成り立っています。これらを学ぶことで、幅広い視野と柔軟な思考力を身につけることができます。これらの知識は、他の科目と関連が深いため、国語の読解力向上や算数の問題解決力強化にも効果的です。
さらに、社会を学ぶことで自分たちが生活している社会や世界について理解を深め、自分の考えを形成することができます。これは、将来的に社会の一員として活躍するための重要なスキルと言えます。
このように、中学受験における社会の重要性は非常に高いといえます。社会を学ぶ際には、ただ事実を暗記するだけでなく、それらをどのように理解し、考えるかが重要です。そのために、日々のニュースを追う、本を読むなど、日常生活の中で社会に関心を持つよう心がけましょう。
中学受験の社会で近年増えている問題の傾向
社会は基本的に暗記が重要な教科です。丸暗記をしたうえで内容を理解すれば、基本問題は十分に解けるでしょう。覚えた分だけ得点につながるため、点数アップや成績アップにも有効です。
一方で、入試問題では新たな出題形式も増えてきています。志望校合格・突破を目指すためには、過去問などで問題の傾向を分析するのも重要な攻略方法です。模試や本番のテストで難問にあたっても、傾向さえつかんでおけば正解に近づけていけます。
ここからは、中学受験の社会で近年増えている問題の傾向について解説します。
●時事問題
時事問題に関しては、受験する年に話題になった出来事やその出来事に関連した問題が出題される傾向があります。特に、政治・世界遺産・外国の首脳について出題されるケースが多く見られます。近年多くの学校で出題されるようになっているため、直近のニュースについては日頃からチェックしておきましょう。
時事問題では、知的好奇心の有無や考えを表現する力などが問われています。
●柔軟な思考力を見る問題
近年の傾向としては、受験生の柔軟な思考力を見る問題も増えています。特に難関校では、地理や歴史、公民がすべて結びついた問題など、複数の知識が組み合わさった問題が増加しています。
柔軟な思考力を見る問題では、思考力や読解力、言語化能力、表現力が問われています。
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【分野別】中学受験で出題されやすい社会の範囲とおすすめの勉強方法
中学受験で出題されやすい範囲は、単元ごとに異なります。地理分野、歴史分野、公民分野の頻出問題を網羅的に押さえておきましょう。
ここからは、具体的な中学受験対策として、出題されやすい範囲とおすすめの勉強法を説明します。
●地理
地理においては、特に日本の地理に関して出題されることが多いです。例えば、地形や気候、都道府県ごとの特徴などに関する問題です。
世界地理の分野は、日本と政治や歴史、貿易上のつながりが深い国に絞って出題されます。
優先的に取り組むと良い範囲は、都道府県や県庁所在地に関わる内容です。特に、名前や位置関係、都道府県ごとの特産品、伝統的工芸品を覚えるとよいでしょう。
また、日本の地域ごとの気候も重要です。6つの気候区分ごとの特徴を捉え、雨温図と結びつけて覚えましょう。ほかにも、農業や漁業、工業など地域ごとの産業についても知識を身につけることをおすすめします。
地理に関するおすすめの勉強方法は、毎日決まった時間に社会の暗記に取り組むことです。夕飯前や寝る前の30分といった時間を活用し、暗記学習の習慣を身につけましょう。その際には、音読や書き取りなど五感を活用する勉強法がおすすめです。その他、白地図に覚えたい内容(工業地帯を覚えたい際は、その場所)を自分で書いて整理してみるのも有効な手法です。
●歴史
歴史は、旧石器時代~現代までに関して広い範囲で出題されやすい傾向があります。中でも、日本の歴史から出題されることが多いでしょう。そのため、優先的に取り組むと良い範囲は、やはり日本史です。外国の歴史については、日本が関係する出来事に絞ってよいでしょう。外国に関する内容は、外交・貿易・戦争の相手国を押さえることをおすすめします。
歴史を得意にするコツは、歴史全体の流れを把握することです。時代ごとの政治や文化、出来事が起こった理由や背景、因果関係を関連づけて学ぶようにしましょう。
おすすめの勉強方法は、とにかくインプットとアウトプットを繰り返すことです。少しでも覚えやすくなるよう、時代や年代・年号に区切ってオリジナルの年表を作ってみましょう。その際には、出来事が起こった理由や背景、歴史上の人物が何をしたかなどを自分の言葉でまとめるよう心がけると、より記憶が定着しやすくなります。自分で語呂合わせに特化したプリントを作ってみるのもいいでしょう。
●公民
公民の範囲も幅広く、日本国憲法や法律、政治、経済から出題されます。特に出題されるのは、人権保障や国会・内閣・裁判所に関する内容です。
公民は、日本国憲法を中心に勉強するよう心がけましょう。公布・施行年月日や三つの原則、改正の手続きは必ず押さえる必要があります。あわせて、条文に出てくる単語や意味を覚えるのも重要です。以下では、公民で頻出の日本国憲法の内容の一部を紹介します。
【1条:天皇に関する内容】
「天皇は、日本国の象徴…」
この条文は、天皇が日本国とその国民を象徴していること、そしてその立場は日本の国民全体の意志によって支えられていることを説明しています。
“象徴”とは、日本のシンボル。つまり、天皇は日本と日本国民を代表する存在であるという意味です。天皇は政治的な権力を持たず、国民をつなぐ存在としての役割を果たしていることを示しています。
【9条:戦争放棄に関する内容】
「…国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、…永久に放棄する」
この条文は、日本が平和を大切にし、戦争や軍隊を使って他の国を脅かしたり攻撃したりすることを、ずっとやめると決めたことを説明しています。
また、続く第2項ではその目標を達成するために、日本は陸海空軍などの軍隊を持たない。また、戦争を始める権利(交戦権)も認めない。といった内容も示しています。
つまり、この条文では日本が平和を重視し、戦争をすることを永遠にやめると宣言しているのです。
【13条:公共の福祉に関する内容】
「すべて国民は、個人として尊重される…」
この条文は、「すべての人は、自分自身として尊重され、生きること、自由に行動すること、そして幸せを追い求めることができる」ということを示しています。
一方で、その行動が他の人の幸せや全体の福祉を害しないように注意しなければならないとも、のちに続く内容で触れています。
この考え方は、日本の法律作りや政策決定において大切にされています。
【25条:生存権に関する内容】
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する…」
最低限の生活とは、基本的なニーズ、例えば食事、衣服、住宅などの基本的な生活必需品を手に入れ、そして、教育や芸術などの文化活動に参加する機会を持つことを意味します。
日本の全ての人々が健康的で文化的な最低限の生活をする権利があるとことをこの条文では、述べています。
また、公民の対策としては、時事問題の理解も重要です。1年で起こった政治や経済、災害などの出来事は把握しておきましょう。問題演習を解く、日ごろから新聞やニュースを見るなどを心がける意識が重要です。ニュースで取り扱われている出来事について家族で話すのもおすすめです。
中学受験の社会でよく出る出題形式と解答のコツ
入試本番で焦らず問題を解くためには、出題形式と解答のコツをあらかじめ押さえておくことが重要です。問題のタイプさえ知っておけば、本番でも落ち着いて対応できるようになるでしょう。苦手意識をなくし、確実に高得点を狙える得意科目とすることも、十分にできます。
ここからは、中学受験の社会でよく出る出題形式と解答のコツについて解説します。
●空欄補充問題
空欄補充問題は、社会に関する用語が問われる問題です。人名や法律名、都道府県名などを漢字で書けるようになっておくと、問題が解きやすくなります。
また、解く際には、問題文全体をしっかりと読みましょう。全体の流れやトピックを把握しておくと、解答の手がかりが見つけやすくなります。そして、情報を元にして空欄に何が来るかを自分なりに予測します。具体的な事実や日付を覚えていなくても、大まかな流れやテーマに基づいた推測を立てられるでしょう。
●正誤問題
正誤問題は、何を聞かれているかなど、文章を正確に読み取る力を問われる問題です。解く際には、問題文が述べている事柄を具体的に想像し、それが事実と合っているかどうかを確認します。
問題には“時代”や“場所”など注目すべきポイントがあるため、正誤の見分け方に慣れておくよう問題演習をたくさん積むことが重要です。
●資料読み取り問題
資料読み取り問題は、資料や文章から情報を読み取って、整理・計算する問題です。この問題では、資料を読み取る力が問われています。
解法の手順を身につけるためには、問題演習が重要です。練習を積むと重要な数字や数値の変化に気づきやすくなります。
●文章記述問題
文章記述問題は、自分の意見や考えを問われる問題です。知識に加えて、思考力や表現力も必要になる点に注意しましょう。
対策として、テーマを基に短い文を書く練習が有効です。新聞やコラムを読んで内容を短くまとめたり、感じたことや考えたことなどを書いて表現したりする練習を積みましょう。
中学受験における社会の勉強でよくある疑問
社会の受験勉強をいつから始めて良いのかわからない、教材の選び方がわからないといった疑問は、中学受験を目指している子どもや保護者の方から多く耳にします。
ここでは、その2点の疑問についてわかりやすくお伝えします。
●社会の受験勉強を始める時期は?
小学4年生から地理や歴史、小学6年生で公民の受験勉強を始めるとよいでしょう。社会の授業は小学3年生に始まるため、中学受験に向けた実践的な勉強は小学4年生からがおすすめです。
低学年のうちから歴史に関する漫画や地図帳などに触れ、社会に興味を持たせたり、苦手意識を減らしたりするのも有効です。
●社会の参考書の選び方は?
社会の参考書は、とにかく読みやすいものを購入しましょう。その中でも、歴史をストーリーとして解説しているものがおすすめです。イメージ図や写真が豊富に掲載されていれば、視覚を活用した記憶も期待できます。
また、記述式の問題がある参考書であれば、模範的な答えの文章を参考にできます。さらに、一問一答形式(一問一答式)の問題集を繰り返し解けば、効率的に要点を定着させていけるでしょう。
中学受験では社会も徹底的に勉強しましょう
偏差値や難易度、レベルが高い中学校を受験する際には、暗記科目である社会をいかに完璧に仕上げるかが重要です。まずは復習を重ねて、基礎・土台をしっかり作る段階から学習を進めていきましょう。
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