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中学公民でおすすめの勉強法|基礎固め~高得点を目指すための具体策

2023.09.05

中学社会の公民は、中学生の勉強の中でも苦手意識を持っている人が多い科目の一つです。人権、政治、経済など、日常生活では聞かない言葉も多く出てきます。

しかし公民で学んだことが役立つのは、高校入試やテスト勉強だけではありません。「社会に出たときに必要な一般常識」をメインで学ぶ教科であるため、大人になり社会に出たときに必要な生活知識にもなります。いわば「生きた知識となる科目」です。

本記事では、基礎固めから高得点を目指せるテスト対策まで、受験生にも役立つ公民のおすすめ勉強法を紹介します。

◆本記事の目次

公民が苦手な原因は?

公民が苦手と感じる原因の一つに、抽象的な内容を扱っているためイメージがわきにくいことが挙げられます。

国語や理科で学ぶのは具体的な言葉や現象です。対して公民では、選挙や法律などの「形のない概念」が多く出てきます。また、基本的人権や三権分立といった、耳なじみのないワードも多く並びます。

同じ社会科でも、歴史では「〇〇戦争」、地理では「〇〇地方」など、多少はイメージがわくものが多いですが、公民は抽象的な言葉が多いのが特徴です。
難解な漢字や独特の用語も出てくるため、言葉だけでは具体的なイメージがわかないものが多くあります。

そのため、堅苦しい・難しいといった印象になり、苦手意識にもつながりやすくなるのでしょう。


基礎を固めるための公民の勉強法|基礎編

公民の成績アップを目指すためには、用語を覚えることが第一歩です。
公民で学ぶ知識は社会生活に役立ちますが、また一方で「定期テスト対策としての公民」は暗記量が物を言います。用語や制度の名称を暗記するだけで、ある程度の点数が取れる科目でもあります。
重要語句を覚え、内容を理解するために必要な勉強の仕方を紹介します。

●教科書を読む

まずは教科書を読むことです。当たり前と思われるかもしれませんが、やはり学校の教科書をおろそかにしてはいけません。基本的なワードが網羅されているため、全体の流れを把握できるようになります。

公民は物事の背景にある社会全体の流れを読み解くことが大切です。教科書をしっかり読むことで、徐々に複雑な内容が理解できるようになるでしょう。

最初から参考書を読んだり、過去問などの問題演習に取り組んだりするのも悪くはありません。しかしそれよりも、まずは基礎を理解してから問題に挑む方が効率的です。予習として教科書を読んでおくことで、授業中に先生が話す内容が頭に入ってきやすくなるので、おすすめです。

●問題を繰り返し解く

教科書を読み込んで基本的なことを覚えたら、次は問題を解いてみましょう。公民のテストでは、用語の定義や意味を問う問題がよく出題されます。問題を解き、知識をアウトプットすることで記憶に定着しやすくなります。

問題を解くことで、覚えたと思っても忘れていたり、実はよく理解できていなかったりする部分も発見できます。問題を繰り返し解くことで、理解がさらに深まっていくでしょう。

わからなかったポイントは教科書に戻って復習し、該当する部分を読み込んでいくことで、全体を理解できるようになります。丸暗記ではなく、読解力を養うことが重要です。

●用語の意味や内容をわかりやすい言葉に直す

公民には日常生活ではあまり聞き慣れない、専門的な言葉が多く使われています。これらを自分なりにイメージしやすい言葉に置き換えてみると理解しやすくなります。

≪わかりやすい言葉に直した例≫
公共の福祉 → 社会に生きるみんなの幸せ
国事行為 → 日本国憲法に定められている天皇の仕事(大きく8項目ある)
内閣 → 国会が作る法律や予算といったルールを“実行する”役割の機関

このように、わかりやすい言葉に置き換えるのがコツです。

●“全体像”を捉えて「枝分かれ図」を描いて覚える

全体像をつかむために「枝分かれ図」を描くことも効果的です。「枝分かれ図」とは、項目の中身をまとまりごとに分けて「トーナメント表」のような形に書き出してみることです。

《具体例》
①日本国憲法の基本的人権
まずは大きく、平等権・自由権・社会権・基本的人権を守るための権利という4本の枝に分かれます。それぞれに分類される具体的な権利を右側に書いていきます。

②社会保障制度
日本の社会保障制度は、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4本柱で組み立てられています。

それぞれの右側に具体的な制度や取り組みを書いていきましょう。例えば、社会保険の場合は健康保険・年金保険・介護保険・雇用保険といった制度を書き込むことができます。

線でつないで樹形図にすることで、それぞれの関係がわかりやすくなって便利です。権利や法律、税金の項目をバラバラに覚えるのは勉強時間が無駄に増えるだけでなく、全体の理解の妨げになったり知識が定着しにくくなったりします。

それぞれの中身を「枝分かれ図(樹形図)」に整理して描くことで、全体像を捉えやすくなるでしょう。


得点アップを目指す公民の勉強法|応用編

基礎が固まってきたら、次は応用に挑んでみましょう。公民のテストは基礎を踏まえた上での応用力が求められます。

ニュースや新聞を読み自分なりに情報を整理することや、出来事の背後にある理由や歴史の仕組みを理解することが大切です。全体の流れが理解できていれば、ひっかけ問題にも対処できるようになります。

●ニュースや新聞に目を通す

現在の新聞などに載っていることや、テレビで報道されているニュースには、中学校の授業で習っている内容とつながっていることがたくさんあります。相関関係を自分で発見することで理解が進み、勉強が楽しくなるでしょう。

また、公民の入試問題には時事問題が出題されることも多いです。「時事問題」とは、その時々の社会問題のことです。ニュースや新聞に目を通す習慣は、受験勉強だけでなく大人になってからも役に立ちます。今のうちからニュースや新聞に目を通す習慣をつけておきましょう。

公民は現代社会を理解するための科目でもあります。普段からニュースや新聞に目を通すことで、生活の中で起きている出来事を知り、それらを通じて社会の仕組みを理解することができるようになります。

●出来事が起きた理由や歴史の仕組みを理解する

用語集を丸暗記するだけでは、公民のテストで高得点は狙えません。なぜその事象が起こったのかという理由や、背後にある歴史的な流れを問われる問題も出題されるからです。

例えば、”四大公害とは何か”という基礎的な問題は、名称を暗記していれば答えられます。(答え:水俣病、四日市ぜんそく、新潟水俣病、イタイイタイ病)

しかし、”四大公害はなぜ起こったのか”というケースになると、用語の暗記だけでは回答できません。応用問題に対応するためには背景を知る必要があります。(例:当時の日本では経済成長を優先しすぎて環境への配慮が不十分だった)

事象の背後にある原因や影響を理解することが、公民の得点アップを目指す上では重要なポイントとなります。


公民は用語を覚え全体像を捉える勉強法で、高得点を狙おう

公民は、対応する範囲が広い科目です。世界史や日本の近代史と重なる内容もあり、全体的な読解力が問われます。基本的なワードを覚えてから、全体の理解へと発展させましょう。

同時に、日常生活との関わりが深い分野でもあります。公民で身につけた知識が役立つのは、定期テストや受験だけではありません。「全体の流れを捉えて論理的に位置づけをする訓練」にもなります。

公民を単に暗記すればいい、偏差値対策としての科目として捉えるのではなく、より深く物事を捉えるための訓練として向き合ってみることをおすすめします。そこで身についたものは、きっと将来生活を豊かにするための役にも立つはずです。

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