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小学校の通知表はどう見る?評価方法と通知表の読み取り方について
公立の中高一貫校の受験をする場合には、学力テストや面接だけではなく通知表の成績も評価対象としてあつかわれます。そのため、通知表の成績も気にかけて「どうすれば通知表の評価が上がるのか」を理解しておくことが大切です。
通知表の評価は2020年に学習指導要領の変更に伴って、評価項目が変わりました。以前の評価項目と現在の評価項目の違いについても紹介します。
本記事では、上記に加えて小学校の通知表の見方、通知表の評価方法、読み取り方などについて解説していきます。
◆本記事の目次
保護者が押さえておきたい小学校の通知表のこと
保護者の方も自分が小学生のときには、通知表を目にする機会があったでしょう。
しかし、2020年には評価項目なども変わり、今と昔の通知表は異なる点があります。そのため、通知表についての基礎情報を身につけたうえで、子どもの通知表を見てあげることが必要です。
小学校の通知表について知っておきたいポイントを解説します。
●そもそも通知表にはどのような役割がある
通知表は学校が保護者や児童に対して、学習の現状を伝えるための書類です。通知表をもらった後の学習に活用できるように作成されています。
保護者はテストの成績などは見られますが、授業中の態度や忘れ物をしていないかなど、子どもの小学校での過ごし方を見られる機会が少ないものです。そういったことを通知表で知ることができます。
また、子どもは通知表につけられた成績を見ることで、主観的ではなく客観的に自分の学習状況を確認できます。
さらに、教科別での成績を見られるため「うちの子は算数が苦手だな」「国語はできているからこのままがんばろう」など、子どもの苦手教科や得意教科を判断できます。
得意教科を伸ばしていくのも大切ですが、苦手教科をそのままにしておくわけにはいきません。苦手な教科や得意な教科を見つければ、今後の課題を考える際にも役立ちます。
●通知表をもらうタイミングは?
通知表をもらうタイミングは、各小学校によって異なります。
2学期制を採用しているか3学期制を採用しているかによって、通知表を受け取るタイミングが異なる場合がほとんどです。
3学期制の小学校は、以下の3回のタイミングで通知表が渡されます。
夏休み前の7月(1学期)
冬休み前の12月(2学期)
春休み前の3月(3学期)
続いて2学期制を採用している小学校の場合、以下の2回のタイミングで通知表を受け取ります。
秋休み前の10月(1学期)
春休み前の3月(2学期)
2学期制・3学期制どちらも、各学期が終わるタイミングで通知表が渡される場合がほとんどです。
小学校の通知表の評価の見方について
小学校の通知表の評価を見る際に、必ず見ておきたい項目について解説します。
通知表の評価は2020年に指導要録の変更によって、4つあった評価項目が3つになりました。変更された事柄を含め、通知表の評価の見方を説明します。
●通知表の評価項目
通知表の評価項目は2020年に変更されているため、変更点を紹介します。
2020年以降の現在の通知表は、以下の3つの評価項目で構成されています。
・知能及び技能
・思考力・判断力・表現力など
・主体的に学習に取り組む態度・人間性
2020年より前の通知表は、以下の4つの評価項目で構成されていました。
・興味・関心
・思考・判断
・技能
・知識
2020年には学習指導要領の改正があり、上記の4つの評価項目から3つの項目に変更されています。これにより、テストの点数だけではなく、勉強の理解度・授業態度・勉強に取り組む姿勢が以前よりも重視されるようになりました。
そのため、宿題などの提出物や忘れ物の有無、授業中の発言など、学力以外の努力も認められるようになっています。
●通知表の評価の仕方
小学校の通知表評価の仕方は、一般的には3段階評価が採用されているケースがほとんどです。
3段階評価は「A・B・C」「よくできる・できる・もう少し」「◎・〇・△」などで表す場合が多いですが、学校によって表記の方法は異なります。各教科の目標の達成度合いによって3段階評価のいずれかがつけられます。
また、評価方法は「絶対評価」「相対評価」の2種類に分けられます。絶対評価は、教科ごとに目標の基準を定めて、それを達成したかを判断して評価する方法です。相対評価は子どもの成績がクラスや学年の中でどれくらいに位置するかをもとに成績がつけられる方法です。
簡単にいうと、相対評価は周りの子と比較して評価し、絶対評価は自分の成績がどれくらい伸びたかで評価されます。
どちらの方法を採用しているかは各小学校・担任によって異なりますが、絶対評価で成績をつけられる場合が多いようです。
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小学生の子どもの通知表を見たときにやるべきこと
小学生の子どもから通知表を受け取って、内容を確認したときにやるべきことについてお伝えします。
各教科の成績に注目して悪い点があれば注意したくなりますが、なるべく子どもを褒めてあげることが大切です。
通知表の見るべき項目と、子どもへの対応方法を紹介します。
●先生からの所見コメントに注目する
小学校からの通知表を見たときには、先生からの所見コメントに注目してみましょう。
先生からの所見コメントは、子どもの学習面や生活面の様子・態度・状況などについて、教師の観点での情報が記載されています。子どもが普段の学校生活でどのように過ごしているかがうかがえる項目であり、保護者として最も気になる点がわかります。
通知表といえば各科目の成績を判断するものだと認識されている方が多く、成績を見て判断したくなるものです。しかし、成績評価では伝えきれない内容がコメントに記載されているので、チェックしておきましょう。
●良い成績判定の数ではなく項目の変化に注目する
通知表を見るときに、3段階評価の「A」「よくできる」などの判定数を気にしてしまわないようにしましょう。
3段階評価の最も良い判定も大切ですが、以前の通知表と比較して判定が「上がっているか・下がっているか・維持しているか」を見るべきです。
どの教科のどの項目に判定がついているかを確認して「この教科のこの項目が苦手だな」など、苦手な教科や得意な教科を判断する基準とするのが大切です。それぞれの項目の判定から学習内容の習熟度や取り組み方などを読み解いて、次回はもう一段階評価を上げるといった目標を立てていきましょう。
●通知表から子どもの成長を読み取って褒める
通知表から子どもの成長を読み取って褒めてあげましょう。
各科目の成績評価で前回よりも判定が上がっている項目があれば、褒めることが大切です。行動の記録の欄では、特に子どもが意識して行動していたことが反映されるため、学力以外の評価で子どもを褒められます。
成績が上がったら褒めるのはもちろんですが、勉強以外のがんばりが表れる行動の記録を見て褒めることも意識してみましょう。
あらさがしをして悪い点を指摘するだけでは子どもの成長にはつながりません。その理由として、心理学の研究では「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」があります。
ピグマリオン効果は子どもに期待を抱いて接すると、子どもは期待通りの方向に成長していくというものです。ゴーレム効果は逆で、できない子だと思って接するとその通りになってしまいます。
この心理学の研究からもわかるように、悪い点を探すのではなく、なるべく良い点や改善された点を評価してあげることが大切です。ピグマリオン効果は学習面以外にも応用できるため、家庭での子育てにも役立つでしょう。
●結果よりもプロセスを褒める
通知表が返ってきた際に、評価項目などの結果にフォーカスして一喜一憂してしまう方も多いのですが、その評価が得られたプロセスを褒めてあげましょう。
たしかに3段階評価で最も良い成績を取るのは大切です。しかし、結果だけを褒めると努力をしなくなる可能性があります。
大切なのは結果よりもプロセスを褒めることです。具体的には「家でも算数の復習をがんばっていたから良い成績が取れたね」「毎日漢字の練習をがんばったね」など、良い成績を取るまでのがんばりや努力を褒めてあげましょう。
努力やがんばったことを褒めてあげれば、子どもの学習意欲が上がり、以後も努力する姿勢を見せてくれるようになります。
小学校の通知表は子どもを褒めるための材料
小学校の通知表に記載してある成績は、絶対評価で判断される場合がほとんどです。通知表を見る際には、各科目の成績だけではなく、先生からの所見コメントや評価の変化などに注目して見てあげましょう。
通知表は苦手教科や得意教科を判断する材料としても使えますが、今後の子どもの成長を考えると、通知表を「褒めるための材料」と考えることがおすすめです。
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