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評定平均とは?評定平均を上げるためにできることや算出する方法
高校入試で重要な評価項目の一つに「内申点」がありますが、大学入試では「評定平均」と呼ばれる評価項目があります。これは推薦入試で重要な評価基準の一つです。評定平均は具体的にどのように計算されるのか、その方法を説明します。また、合格率にどの程度の影響を与えるのでしょうか。
学校型選抜、総合型選抜、一般選抜、3つの入試方式との関わりについて解説します。評定平均をアップさせるための方法も紹介するので、特に推薦入試を考えている方は、評定平均対策に役立ててください。
◆本記事の目次
評定平均とは?大学受験の基礎知識
受験生ではなくても、将来の大学受験に向けて評定平均を意識することは大切です。評定平均に関する基礎知識と計算方法を解説します。
●評定平均とは
評定平均とは高校3年間の学業成績の平均を数値化したものです。高校生活を評価する指標の一つとなります。推薦入試の際に志望大学に提出する調査書(内申書)に記載されます。推薦入試に用いられるのは、高校1年生の1学期から3年生1学期(または前期)の期間で、出願するときまでに履修した全ての教科に対する評定平均です。
一部の大学や短大では特定の教科の平均値を出願基準とするケースもあります。例えば英語系の学部では、「英語の評定平均は4.3以上」と指定されることもあるので、志望大学がどのような基準を設けているか、早いうちに知っておくことが大切です。
●評定平均の算出方法
評定平均の算出方法は、高校入学から出願までに履修した全ての教科の評定を合計した後、教科数で割ります。割り切れなかった場合は、小数点第2位で四捨五入します。通知表が10段階評価の場合は、出願時に5段階評価に修正したうえで算出します。
評定平均の値は、3年間の各学期の評定平均の値をさらに平均することで算出されるため、3年生になってから対策しようと思っても間に合わないことが少なくありません。そのため大学進学、特に推薦を目指している場合は、高校1年生の時から評定平均を意識して勉強する必要があるでしょう。
評定平均の出し方を、高校1年生時の例を使ってご説明します。
*評定平均算出の例(高校1年生)
例の科目数は全部で13、評定の合計は56です。そのため、以下のように計算します。
評定合計÷科目数=評定平均
56÷13=4.3
今回の計算では割り切れないため、少数点第2位以下を四捨五入して、高校1年生時の評定平均は4.3となります。
3年間の評定平均でもこれと同じで、高校1年から高校3年1学期(または前期)までの全科目の評定の合計から履修した全科目数を割った数値が、調査書に記載される評定平均です。
大学受験で評定平均は重要?
評定平均が合格、不合格を左右するかどうかは、入試方式や志望大学が設けている専攻基準によります。ここでは、入試方式ごとにどのように評定平均が影響するのか解説します。
●評定平均が重視される入試方法の場合
・学校推薦型選抜
学校推薦型は、高校からの推薦が必要な入試方式です。そのため、評定平均は重視されます。学校推薦型には、大学側が高校を指定する指定校推薦と、どこの高校であっても応募できる公募推薦があり、校内選考を通過する必要がある指定校推薦はもちろん、公募推薦であっても出願資格に一定以上の評定平均が求められます。
また、私立大学の公募推薦については評定平均に関する共通の出願基準がありません。偏差値の高い難関大学で人気のある学部・学科であればあるほど、高い基準が設けられています。志望大学にもよりますが、目安として4.0~4.5以上の評定平均を得られると選択肢が広がります。
評定平均は、高校側がこの生徒を推薦してよいかの判断材料としても重視されるので、推薦を検討している人は、高校1年生の時から評定平均を意識した学習を進めるのがよいでしょう。
・総合型選抜(旧・AO入試)
総合型入試は学校推薦型とは違い、高校からの推薦の必要がない入試方式です。生徒がその大学に適しているか、意欲的に学習しているかなど、現在の学力だけではなく、総合的に評価されます。小論文や志望理由書の提出、面接、プレゼンテーションやディスカッションなども実施されます。
学校推薦型ほど高い基準ではありませんが、一定以上の評定平均は求められるので、総合型選抜であっても評定平均は関わりがあります。
●評定平均が合否判定に関わらない入試方法の場合
一般選抜の場合は、基本的には入試結果に評定平均は関わりません。ただし、面接試験が実施される時は調査書には教科ごとの成績が記載されており参考にされることもあります。
また、奨学金制度の利用を希望している場合は、どのような入試方式であっても、利用条件として一定以上の評定平均が求められる場合もあります。そのため、一般選抜であっても奨学金制度の利用を希望している方は、評定平均を意識する必要があります。
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評定平均を上げるためにできること
評定平均は高校1年生の時からの学習や成績の積み重ねが大事です。ある一定の時期で評定平均を上げようと考えても、既に確定している過去の学習成績は変えられないからです。評定平均を上げるために必要なことを解説します。
●定期テストで高得点を目指す
評定平均に大きく影響するのは、中間テスト、期末テスト、学年末テストの結果です。そのため、できる限り苦手科目をフォローして、テスト前の復習や対策を十分に行い万全な状態で挑みましょう。単元ごとの小テストなども高得点が狙えるように準備することが大切です。
●授業に意欲的に参加する
定期テストの結果だけではなく、授業への意欲も評定には影響を与えます。先生に積極的な授業態度をアピールできるように心がけましょう。また、レポートや課題など提出物を期限までにしっかりと提出することも大切です。学校生活を様々な面から楽しみ、意欲的に学びましょう。
●副教科も意欲的に取り組む
評定平均は履修したすべての教科・科目の成績が対象です。そのため、音楽、保健体育、美術、技術家庭科といった副教科にも意欲的に取り組む必要があります。「受験には関わりがない」と思い込まず、高校1年生の時から副教科を疎かにしないように気をつけましょう。
評定平均は推薦入試希望者には極めて重要
近年、特に私立大学への進学において、推薦入試を選択する受験生が増えています。その場合、高校に入学した時点で評定平均を意識した対策が必要です。対策することによって、チャンスは広がり、早い時期に推薦入試によって合格を勝ち取ることが可能となり、その分余裕をもって残りの高校生活を楽しむことができるでしょう。
評定平均を上げるには、高校のレベルや進度に合わせた学習が必要であり、自己流の学習だけでは思うように学習成績につながらないこともあります。評定平均の対策は、入学当初から、コツコツと行うことが大切です。「京進の個別指導 スクール・ワン」では、ひとりひとりにぴったりな学習をモットーに、それぞれに寄り添う指導方法とカリキュラムを用います。適度な緊張感をもたせながらも、きめ細かく褒める指導を行います。もちろん、生徒ひとりひとりの希望に合わせて、一般選抜対策だけではなく、推薦入試のための定期テスト対策も行っています。
「入学したばかりでまだ志望大学まで考えていない」という場合でも、大学入試をお考えの場合はぜひ早いうちにご相談ください。