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論理的思考力とは?受験や社会で必要とされる理由、家庭で鍛える方法

2023.11.15

論理とは、議論や推論・推理を行う際の、筋道・筋立てのことを意味します。論理的に物事を考える力が足りないと、話が矛盾したり飛躍したりしてしまい、話が正しく相手に伝わらない事態が起きるでしょう。そのため、論理的思考力は社会に出た際に必要な基本能力の一つとされています。
昨今、学校教育でも子どもの身につけさせるべき重要な能力とされており、入試問題や面接や論文などで論理的思考力が問われることもあります。

今回は、論理的思考力がなぜ必要なのかを解説し、家庭で論理的思考力を鍛える方法をお伝えします。

◆本記事の目次

論理的思考力とは?

論理的思考力とは、英語ではロジカルシンキングと言い、物事を体系的に整理したうえで、矛盾しないように筋道を立てて考える思考法のことを指します。ビジネスシーンでも重要な要素の一つとされています。

実際に目標達成や課題解決のために、企業でも論理的思考を補助するようなフレームワークが用いられています。また、誰かに説明したり、説得したりする場面は仕事では何度となく訪れます。その時に、論理的思考力があれば、相手が理解しやすいように論点を整理して話すことができ、スムーズに仕事を進めることができるでしょう。問題が起きた場合も、筋道を立てて考えて分析できれば、適切な解決策を導きやすくなります。問題点を明らかにする際にも論理的思考力が必要です。

昨今、大学受験でも論理的思考力が問われる問題が数多く出題されるようになり、受験生が論理的思考力を身につける重要性は増しています。面接やディスカッションの際にも順序立てて話せることは重要です。論理的思考力は、受験対策としても意識して身につけるべきスキルと言えます。


近年「論理的思考力」が注目されている理由

2020年、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準である、学習指導要領が改訂されました。未来を担う子どもに必要な能力は、幅広い知識だけではなく思考力であり、グローバル化やAIの進化により、急速に変化していく社会の中で様々な人と共存できる力であるとされています。日本の現状では、これからの時代を生きるために必要な思考力、判断力、表現力などに課題があるため、その育成が学習指導要領の大きな柱の一つと掲げられています。その一環として、小学校では2020年より、高校では2022年よりプログラミング教育が必修化されました。

大学入試においても、解法を暗記するだけでは対応できない論理的思考力が問われる問題も増えています。正解がいくつもある、あるいは、明快な正解がない問題もあり、それらは答えを導く過程が採点のポイントとなります。また、論理的思考力を持つことは受験生には以下のように大きなメリットがあります。

●問題を解決できるようになる

受験勉強と言えば、たくさんの知識を詰め込むインプットが中心と考える方もいます。しかし、実際は問題の意図を読み解き、学んだ知識を用いて自分なりの解答を導くための問題解決力が必要です。

また、大学受験に挑むにあたり、ただ学校や塾の授業を受けるだけではなく、自分の状況を整理し、「志望校合格を勝ち取るためにどうしたらいいのか」を考え、具体的な勉強のプロセスを考えていくことも大切です。論理的思考力を身につけることによって、物事の因果関係を把握できるようになり、こうした大きな課題についても適切な行動、合理的な解決策を見出す能力が身につきます。

●相手の話を理解できる

論理的思考力を身につけることで、論理的に話せるだけではなく、相手の話や考え方を論理的に把握できるのでその内容をより正確に理解できます。また、相手の気持ちや感情への共感力も高まるため、円滑なコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。

文章を論理的に読み解く力があれば、現代文の読解問題で高得点につながるだけではなく、数学、英語、理科、社会などの問題も正確に読み取りやすくなります。そのため、問題を理解するために余計な時間がかからなくなり、効率的に解けるようになるでしょう。

●説得力が身につく

聞き手を説得する必要性がある場合、事実をただ述べるだけや自分の意見を主張するだけでは不十分なことがあります。そのような場合、相手を説得するために有効なのが論理的思考力です。

論理的思考力があれば、自分の考えや伝えるべきテーマを相手にもわかりやすく簡潔にまとめ、説明することができます。受験においても、小論文や面接、ディスカッションだけでなく、記述文題などにも応用できるスキルです。


子どもの論理的思考力を鍛える方法

学校教育でも論理的思考力を習得させるための取り組みを行っていますが、学校や塾の授業以外でも、日頃から以下のようなトレーニング方法を取り入れることをおすすめします。

●一日の出来事を家族や友人に話す

ちょっとした会話でも、論理的思考を鍛えることができます。ポイントは相手に伝わりやすいように、話の順番を意識することです。

まず。結論から話すことを意識しましょう。また、専門的な話をする場合でも、できる限りわかりやすい表現や言葉を使って説明するようにしましょう。曖昧で伝わりにくい表現は避け、話す内容の本質が伝わるように具体的に話すことも重要です。自分の考えを話す際は、自分の考えだけではなく、その考えに至る原因となる根拠を示しながら、順序立てて話すようにしましょう。

はじめのうちは難しくても、徐々に論理的思考力が養われていきます。

●さまざまな事柄に疑問を持つ習慣をつける

さまざまな知識をインプットするだけではなく、その内容を咀嚼し、自分なりの疑問を持つことも論理的な思考方法を身につけるためには有益です。疑問を持ったことについて分析し、自分なりの推論や意見をアウトプットしてみましょう。

●読書をする

読書によって知識が増えるだけではなく、それを理解する能力もアップします。読書を習慣にし、読んだ本について誰かに説明するようにしましょう。本のジャンルは特にこだわらなくても大丈夫です。一般的に、書籍には起承転結のストーリーがあったり、根拠と結論があったりと論理が通っているものがほとんどです。そのため、本からインプットした内容をアウトプットしようとすると筋道立てて話す必要があるため、論理的思考力が自然と鍛えられます。


日頃から意識して論理的思考力を鍛えよう

論理的思考力というと、難しいことのように感じられますが、日頃の会話、読書習慣、様々な物事について疑問を持つといった磨き方があり、意識をすれば家庭でも身につけることができます。アウトプットすることが大切なので、保護者の方は子どもの話に耳を傾けたり、話したくなるように促してみましょう。

京進では、論理的思考力を重視した指導を行っています。家庭だけの取り組みでは不安と感じる方は、ぜひ京進にご相談ください。

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