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高校受験の仕組みとは?知っておくべき入試制度や受験までの流れ
「高校受験に向けての勉強計画を立てたい」と考えていても、受験の流れがわかっていないと計画を立てるのは難しいものです。
この記事では、注意点とともに高校受験の流れを紹介し、一般入試・推薦入試の違いについても解説していきます。私立高校と公立高校では、受験科目・受験時期などが異なるため、しっかり確認しておく必要があります。
受験方式によって重点的に勉強する場所が変わってくるため、違いを理解して適切な勉強計画を立てていきましょう。
◆本記事の目次
知っておきたい高校受験の仕組み①|受験までの流れ
高校受験までの流れを把握して、志望校合格のためのスケジュールをあらかじめ立てておくことが重要です。
願書の提出・入学時の書類提出・入学金の支払いなどが遅れると「受験ができない」「入学ができない」といった状況になるおそれがあります。
準備が必要な書類数も多く、手間がかかるため後回しにしがちですが、手続きは早めに済ませておきましょう。
高校受験までの流れを以下の6STEPで紹介します。
1.志望校を決める
2.受験勉強・面接対策
3.出願
4.試験
5.合格発表
6.入学手続き
ほとんどの場合、上記の流れに沿って受験までの準備を進めれば、抜けや漏れがなくこなせます。
STEP1.志望校を決める
高校受験の流れとして、まず初めに志望校を決めておきましょう。
多くの場合、中学3年生の9月あたりから、先生・生徒・保護者の3者面談を行って志望校を決めます。11月あたりには、第一志望校に合格できなかった場合の第二志望校も決めていかなければなりません。
とはいえ、なるべく早く志望校を決めておいたほうがよいため、中学2年生の12月頃に志望校を決定するのがベストです。志望校が決まれば、勉強へのモチベーションも変わってきます。
そのため、この時期よりも遅く決めるのはあまりおすすめできません。可能な限り早く志望校を決めるのがおすすめです。
専門学科・総合学科・普通科など、さまざまな学科があるため、将来の夢に近づける高校を選びましょう。
目指す学校が決まれば、受験方法についても考えておきましょう。「一般選抜で受験するのか」「推薦選抜で受験するのか」をあらかじめ決めておけば勉強の方針を立てやすくなります。
目標とする学校に合格するために、逆算して勉強計画を立てるのが大切です。満点を取る必要はありませんが、志望校合格のための必要点数を把握して、勉強しなければならない点を洗い出します。
STEP2.受験勉強・面接対策
志望校が決まれば、受験対策・面接対策を進めていきましょう。
一般入試で受験する予定であれば5教科の合計点数・内申点を上げる努力をし、推薦入試で受験を考えていれば内申点・面接対策・日ごろの学校活動に取り組む姿勢が重要になります。
私立高校を受験するのであれば、受験科目が絞られる場合もあります。必要ない受験科目に時間を割くよりも、目標の高校に必要な科目を重点的に勉強するなどの対策を考えることも可能です。
努力していてもあまり内申点の改善が見られない場合は、担当科目の先生に「内申点を上げるために何をがんばればよいですか」などの質問をしてみましょう。努力する姿勢があるのを伝えるとともに、内申点を上げるコツを聞けるため一石二鳥です。
志望校を決める際には、中学3年生の三者面談までの成績をもとにする場合が多いです。内申点は、点数換算されて当日の点数に加算されるため重要なポイントです。算出方法は各学校で異なるので、調べておきましょう。
受験に向けた勉強も重要ですが、中学校の定期テスト対策もおろそかにしないように気をつけてください。
STEP3.出願
目標とする高校が決まれば、入学願書の提出が必要になります。出願する時期は、志望校・受験方法によって異なります。
一般入試の出願締め切りよりも、推薦入試の出願締め切りのほうが早い場合が多いので、推薦入試を考えている方は注意が必要です。
一般入試の場合、公立高校は中学校3年生の1月下旬あたりに出願締め切りがあります。公立入試と私立入試で比較すると、私立のほうが早い場合が多いです。
出願を忘れてしまうと受験ができなくなるおそれがあるため、希望する高校が決まった時点で受験情報、スケジュールを調べましょう。
地域によっては、通っている中学校で出願サポートを実施している場合があるため、担任の先生に確認してみるのもおすすめです。公立高校に限らず、私立高校への出願サポートを行っている場合もあります。
提出書類に不備があったり、提出の締め切りに間に合わなかったりすると願書が受理されません。最悪の場合、志望校の受験ができないおそれもあるため、慎重に準備を進めましょう。
STEP4.試験
試験本番では、これまで勉強してきた成果を発揮して合格をつかみ取りましょう。
推薦入試の場合は、筆記試験は実施せずに、中学校からの提出書類(評定平均など)や面接の評価をもとに合否の結果が決まるケースがほとんどです。
しかし、受験する高校によっては、筆記テストや実技テストが行われるケースもあるため、志望校の試験内容を調べておきましょう。
推薦入試で大きなウェイトを占める面接では、明るく大きな声ではっきりと話して、好印象を持ってもらえるようにしましょう。学校での生活態度や成績は書類に記載されるため、日ごろから意識しておくのが大切です。
一般入試は、筆記試験の得点が大きな割合を占めています。試験本番までに、過去問を解いて出題傾向を把握して勉強しておきましょう。
一般入試は多くの場合、2月~3月頃に実施されますが、私立高校か公立高校かによって異なります。各都道府県によっても試験日程が多少異なる点に注意が必要です。
中学校の評定平均と本番の筆記試験の点数配分も、高校ごとに異なるため事前に確認するのが重要です。
推薦入試・一般入試の受験科目などは、各高校の入試情報を調べておきましょう。
STEP5.合格発表
高校によって異なりますが、試験が終了して1週間ほどで合格発表されるケースがほとんどです。
推薦入試で受験した高校に不合格だった場合、一般入試に出願できれば再度挑むことができます。
合格発表が行われる際に、定員割れの有無についても発表されます。定員割れしている場合は、その高校で2次募集が行われます。2次募集の中に行きたい高校があれば、願書を提出して受験することが可能です。
STEP6.入学手続き
無事に志望校へ合格できれば、入学手続きをする必要があります。
受験勉強を乗り越えて入学者選抜に合格したとしても、入学手続きを済ませなければ入学できません。複数の提出書類があり手間のかかる作業ですが、忘れずに手続きを済ませましょう。主に必要とされる提出書類は以下の通りです。
● 入学合意の書類
● 個人情報の登録に関する書類
● 住民票
● 卒業証明書
● クラブ活動の実績等
上記の書類以外にも、必要な書類がある場合があるため、高校から郵送される書類をしっかり確認しましょう。
入学金・施設費などの支払いもあるため、振込先・振込額の確認をして、期日までに振り込みましょう。公立高校(県立高校、市立高校、都立高校など)の入学金は全国一律で5,650円です。しかし、全県で同じわけではなく、福岡県・佐賀県・鳥取県・長崎県は5,550円です。
私立高校の入学金は学校によってさまざまなため、高校のホームページなどで確認しておきましょう。
知っておきたい高校受験の仕組み②|選抜方法
高校受験における入試制度の仕組みは、大きく分けて「一般入試」「推薦入試」の2つがあります。
一般入試・推薦入試にはそれぞれの選抜方法で違った特徴があります。そのため、自分の実力や志望校によって、一般入試で受験するか、推薦入試で受験するかを決めるのがおすすめです。
以下で一般入試と推薦入試の違いに加えて、私立高校入試と公立高校入試も解説しています。
一般入試・推薦入試どちらを利用するかによって受験までの勉強方法も変わります。それぞれの違いを理解し、自分に合った受験方法を探しましょう。
●一般入試
一般入試は「一般選抜」とも呼ばれ、調査書・学力検査・面接などで合否を決める入試形態を指します。
調査書は、別名「内申書」とも呼ばれており、中学校の先生が作成して高校に提出する書類です。調査書に記載される項目は以下の通りです。
● 各教科の成績
● 学級・生徒会委員の担当経験
● 学校行事の活動状況
● 部活動・学校内外での活動実績
● 出席日数
● 欠席日数
● 健康状態
● 特別活動
調査書と通知表を混同してしまう方が多いですが、厳密には少し異なります。調査書は合否判定の資料として用いられ、学年ごとの成績が記載されます。通知表は、学年ごとではなく、学期ごとの成績が記載されている書類です。
一般入試では、試験当日の学力検査が重視されるため、しっかり勉強して挑みましょう。
・公立高校
公立高校の一般入試では、都道府県ごとに統一された入試問題が出題されます。自分が受験する都道府県の過去問を見て、出題傾向を掴んでおきましょう。
一般入試で必要な科目は、主要科目と呼ばれる以下の5つです。
● 国語
● 数学
● 英語
● 社会
● 理科
基本的には、上記の5科目の筆記試験と調査書をもとにして合否判定が行われます。しかし、住んでいる地域によっては、一般的な入試方法と異なる「選抜方式」の受験形式が用意されている場合があります。
受験について考え始める中学3年生よりも前から調べておいて、公立高校の一般入試に向けて対策をしておくのが重要です。
・私立高校
私立高校の場合は、高校ごとに出題傾向が大きく異なります。「勉強していた範囲が全く出なかった」と後悔しないように、目標としている高校の過去問には必ず目を通しておくべきです。
私立高校の合格を目標としている場合は、入試に向けての勉強を始める前に過去問を見て、出題傾向を掴んでから計画を立てましょう。
公立高校と異なり、私立高校では主要な5教科、もしくは3教科で受験が行われます。国語・数学・英語の3教科で受験をする場合が多く、筆記試験に加えて面接があるケースも少なくありません。
●推薦入試
推薦入試では、以下のような項目を総合的に判断して合否が決められます。
● 評定平均
● 願書の内容
● 取得資格
● 面接態度
推薦入試の場合、中学3年での成績や授業態度だけで判断されるわけではなく、中学生活3年間の積み重ねで評価されます。
推薦入試を利用して受験するための条件は、公立高校・私立高校のどちらの場合も、原則として中学校の校長からの推薦を受けなければなりません。中学1年生~3年生までコツコツと努力を積み重ねていく必要があるため、早めに入試対策を始めておくべきです。
基本的に推薦入試では、学力検査を行わないケースがほとんどであり、審査書類や面接などで合否が判断されます。
面接はグループごとに行われる場合が多いため、ほかの志願者と差がつくようなアピールをしましょう。
公立高校とは異なり、私立高校では「専願」「併願」の2種類の推薦入試の方式があります。
専願は、単願・A推薦などと呼ばれる場合があり、推薦入試を受けて合格すれば絶対にその高校に入学することを約束する受験方式です。高校側は生徒を確保できるため、合格基準が少し下がって合格率が高くなります。
併願は、推薦で受験して合格したとしても、断ってほかの高校に行ける受験方式です。
「専願」「併願」の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
参考コラム:高校入試における「専願」とは?「併願」との違いやメリット・注意点
受験する都道府県によっては、推薦入試の中でも「特色選抜」(別名「前期選抜」)と呼ばれる方式を利用できる場合があります。各高校の特色に合わせて受験生の能力を評価する入試方式です。普通科の高校などで特色選抜が行われている場合もあるため、確認してみましょう。
学力だけで選考せず、受験生の個性・能力・適性・努力などを合否基準に設けています。試験内容の例としては、以下のようなものがあります。
● 面接
● 調査書
● 作文
● 実技検査
● 小論文
特色検査では学力以外の面で評価される項目が多く、個性を活かした受験がしたい場合におすすめです。
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知っておきたい高校受験の仕組み③|出願・入試時期
出願・入試時期は、志望校に合格するためにも早めに知っておくべきです。必ず確認しておきましょう。「令和5年度 高校入試日程」などで検索すると、日程が出てきます。
公立高校・私立高校で時期が異なるうえ、一般入試・推薦入試でも実施する時期は異なります。公立高校入試の中でも、地域によって受験時期が微妙にずれている場合があるため、事前にチェックしておく必要があります。
公立高校・私立高校の一般入試・推薦入試、それぞれの出願時期と入試時期は以下の表の通りです。
入試制度 | 出願時期 | 入試時期 | |
---|---|---|---|
公立高校 | 一般入試 | 1月下旬~2月上旬頃 | 2月上旬~3月上旬頃 |
推薦入試 | 1月上旬~1月下旬頃 | 1月下旬~2月上旬頃 | |
私立高校 | 一般入試 | 1月上旬~1月下旬頃 | 1月下旬~2月下旬頃 |
推薦入試 | 1月上旬~1月下旬頃 | 1月上旬~2月上旬頃 |
ほとんどの場合、上記の表の時期に出願・入試が行われます。しかし、私立高校は学校によってばらつきが大きいため、中には12月に出願時期が設定されている場合もあります。
入試時期によって勉強の進め方も変わるうえ、出願が遅れると受験できないおそれがあるため、表は参考程度にして志望校のホームページなどで確認しておきましょう。
また、志望校が決まれば受験日程もわかるため、受験日から逆算して勉強計画を立てておくのがおすすめです。
高校受験の仕組みを理解して合格までのスケジュールを立てよう!
高校受験のおおまかな流れは、以下の6STEPで構成されていました。
1.志望校を決める
2.受験勉強・面接対策
3.出願
4.試験
5.合格発表
6.入学手続き
受験に向けての勉強・面接対策・出願なども重要ですが、これらに着手するためにはまず志望校を決める必要があります。自分の偏差値・学力・学区・調査書点・高校の倍率などを考慮したうえで、目指したい高校を決めるのが最も重要です。
志望校が決まれば、推薦入試・一般入試どちらを利用するかを決めて、目標に適した勉強法を模索していきましょう。
公立高校・私立高校には受験科目や受験時期の違いが大きいため、独自に勉強スケジュールを立てる必要があります。「理数科目は得意だから、文系科目に力を入れよう」などのように、自分の強み・弱点を分析していくとよいでしょう。
また、志望校の過去問には必ず目を通して「どんな問題がよく出題されているか」を分析してから、勉強を始めるのが効率的です。
しかし、「志望校は決まったけれど、過去問をどう見たらよいかわからない」「そもそも志望校が決まらない」と悩んでいる方も多いでしょう。
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