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「高大連携」を知って学校を選ぶ!高大連携のメリットと事例

2024.02.14

近年では、高校と大学が連携して教育を行う「高大連携」が広がってきています。「高校で大学の授業が受けられる」「進路選択に役立つ」など、さまざまなメリットがあります。

また、高大連携には高校・大学の双方にメリットがあることから、今後もさらなる広がりが期待されるでしょう。ただ、高大連携に明確な定義がなく、取り組み内容については高校や大学によって違いがあります。

この記事では、高大連携の概要やメリット、具体的な事例について紹介します。

◆本記事の目次

「高大連携」とは?

「高大連携」とは、高校と大学が連携して教育を行う仕組みです。

大学受験生にとっては、どの大学を目指してどの学部を専攻するかは、人生を左右しかねない大きな決断になります。しかし、学びたい学部がはっきりしていなかったり、選んだ大学・学部が正しいのかで迷ったりしている方も多いのではないでしょうか。

また、志望校をある程度決めている場合でも、実際にどのような授業が行われているのか興味がある方も多いと思います。

高大連携で行われる内容は、高校・大学によってさまざまですが、大学教授による出張講義や、大学生と高校生の共同授業など、大学での講義が体験できるものが多くなっています。


高大連携を行う5つのメリット

高大連携にはいくつかのメリットがあり、大学・高校の双方にメリットがあります。
ここでは、その5つのメリットについて詳しく解説していきます。

●大学での学びの練習になる

高大連携を行うことで、高校生が大学の学びを体験することができます。
高校生にとっては、大学での学びのスタイルに慣れることで、大学進学後に重要な“能動的な勉強“の理解につながるでしょう。
高校と大学では学習スタイルが大きく異なるため、大学進学後に大きなギャップを感じることがあります。高大連携を行うことで、このようなギャップを小さくすることが可能です。
大学にとっては優秀な学生の育成にもつながるというメリットもあります。

●志望校選びの参考になる

高校生にとっては、講義を受けることで進学先選びの参考にでき、大学にとっては、高校生と大学のミスマッチを減らせるというメリットもあります。

●大学のブランディングにつながる

高大連携には、大学のブランディングにつながるという側面もあります。高校生と交流することで、大学の魅力を直にアピールする機会となります。
特に、高大連携に参加する学生は学習意欲が高いこともあり、優秀な学生の獲得にもつながるでしょう。

●学習意欲が向上する

高大連携では、大学で学べる内容の一部を体験できるため、学習意欲が向上するというメリットがあります。
高校生にとっては、高校の授業よりも専門的な講義を受けることができるため、大学で学ぶ内容に関心が持てるようになります。
また、大学で学んでいる自分の姿をイメージできるため、受験勉強のモチベーションにつながる点もメリットです。

●進路選択の幅が広がる

高大連携で大学の講義を受けることで、進路選択の幅が広がるという側面があります。
受験生になってからではなく、高校1年生、2年生のうちから進路を考えるきっかけになります。
進路選択は将来の方向性に大きな影響を与えるため、決断が難しいことがありますが、早い時期から大学について知ることで決断しやすくなるでしょう。


「高大連携」が抱えていた課題と変化

ここまで解説したように、高大連携には多くのメリットが存在します。ただ、メリットはあるものの、実際には高大連携が広まらないという課題がありました。

大学側では高校生の学習状況などを理解したうえで、適切な講義を提供する必要があります。そのため、これまでは元々の関係性が深い大学の付属校や中高一貫校を中心に実施されていました。

近年では高大連携のメリットが理解されてきたこともあり、公立高校においても連携が広まりつつあります。


高大連携の具体的な事例

現在では、すでにいくつかの大学が高大連携を実施しています。
ここでは、高大連携の具体的な事例をいくつか紹介します。

●岡山理科大学の事例

岡山理科大学では、高大連携として大学教員が高校に出向き、講義や実験実習などを行う出張講義を行っています。
講義の内容としては、医療技術職に関する講義や理系学習に必要な英語力に関する講義などがあります。
また、インターネットを利用した遠隔地授業も実施していて、「インターネット入門」「アルゴリズム入門」などの情報科学科の専門基礎科目を開講しています。
この講義において、所定の成績をとった高校生には、大学の単位を認定しています。

【参考】「高等学校と大学との連携の取組事例について」(文部科学省)

●京都大学の事例

京都大学では、高大連携として「京大発見ゼミ」という企画を開催しています。
この企画では、高校生が「調べる」「まとめる」「発表する」などの主体的な学びの体験を通じて、 優れたパフォーマンスを発揮できる場を創り出すことを目的としています。
参加した高校生は40分程度の発表を行い、この発表に対して、若手研究者が、自らの研究経験をもとにして多くのアドバイスを提供しています。

【参考】「京都大学における高大接続・高大連携に関する活動報告書 2022」(京都大学)

●東京工業大学の事例

東京工業大学では、高大連携として「高大連携サマーチャレンジ」を毎年夏休みに開催しています。
高大連携サマーチャレンジは、高校と大学の教育連携のありかたを実験的に検証することを目的とした「科学技術創造立国としての高大連携教育システム及びその効果に関する研究」の一環です。
参加した高校生が5~6名ずつの9チームに分かれ、多様なチームワークが体験できるようになっています。

【参考】「高大連携サマーチャレンジ2021 開催報告」(東京工業大学)

●大阪市立大学の事例

大阪市立大学では、高大連携として出張講義や高校生向けの公開講座を実施しています。
出張講義では、1機関で年に2回まで受けることが可能で、講義の内容はさまざまなものが用意されています。
高校生向けの公開講座では、高校生が大学での学びを体験する目的の講座が用意されていて、より専門的な学習体験が可能です。
また、高大連携を実施するために、大阪市教育委員会とも連携しています。具体的には、高校・大学の教員の交流や研修、課題の調査や支援などがあります。

【参考】「高大連携の取組み」(大阪市立大学)


高大連携のメリットを活用し学習意欲を高めよう!

ここまで、高大連携の概要やメリット、具体的な事例について紹介してきました。
高大連携は高校と大学が連携して教育を行う仕組みで、双方にメリットがあるため近年広がりを見せています。
大学側には、大学のブランディングにつながったり、優秀な学生の獲得につながったりといったメリットがあります。
高校生にとっても、大学での学びを体験できるため、受験勉強のモチベーションにつながったり、進路選択の判断材料になったりと、多くのメリットがあります。
高大連携を活用すれば学習意欲が高まり、目指す大学を見つけやすくなりますが、その大学で実際に学ぶためには入試に合格しなければなりません。

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