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大学受験の面接で聞かれることは?質問例や答え方のポイント
大学受験ではペーパーテストだけではなく、面接試験が課せられることがあります。その形式はさまざまで、個人面接・集団面接・グループディスカッション・プレゼンテーション・口頭試問などがあり、質問内容も多岐にわたります。まずは志望大学、学部・学科で、どのような面接が実施されているかを調べて、それに合わせた対策をしましょう。
今回は、大学受験の面接で聞かれる基本の質問例や事前準備のポイントについて解説します。
◆本記事の目次
●大学受験の面接で聞かれることは?
大学入試の面接で、受験生は志望理由や高校生活で頑張ったこと、大学入学後の目標や志望学部に関することなど、さまざまな質問を受けます。面接では、自分の気持ちを話すだけでなく、質問の意図や、面接官が何を見ているのかを意識して答えられるように準備しましょう。
大学入試の面接時に、面接官は一般的に以下のような点に関心を払っています。
・学生の学びへの興味や意欲・関心
・学生がどの程度志望大学や志望学部のことを理解しているか
・学生の主体性や協調性、人間性、リーダーシップやコミュニケーション能力
実際に面接時に聞かれる質問例を示し、どのようなポイントで回答を用意したらいいか、一つ一つ解説します。
参考コラム:大学の推薦入試における「口頭試問」の対策も併せてチェック
志望動機
【質問例】
- 「本学を志望した理由は?」
- 「なぜこの学部を志望しましたか?」
志望動機はどんな面接でも最も基本的な質問です。大学入学後に何をしたいか、目標を掲げながら回答し、大学への熱意をアピールしましょう。面接官は学習意欲があるか、しっかりとした目的を持っているかを受験生の回答を聞いて判定します。
「志望動機」への回答として重要なポイントは以下の通りです。
*ポイント
・志望する学部や学科についてのエピソードを交えながら答える
・学びたいことに関連する社会問題、それに対する意見について考えておく
大学は専門性の高い内容を主体的に学ぶ場です。「その大学の学生になれれば後は何でもいい」という考えでは面接突破は厳しいでしょう。入学した後に学部や学科のミスマッチで後悔しないように、学部・学科で学べる内容や、大学が求める学生像をアドミッションポリシーで確認しておくことも大切です。また、面接官から専門分野に関する質問をされることもあります。経済学部や経営学部志望なら、例えばエネルギー問題や雇用問題などの時事トピックを押さえておき、自分なりの考えをまとめておくことがおすすめです。
大学の印象
【質問例】
- 「オープンキャンパスに参加したときの印象は?」
- 「本学にどのようなイメージを持っていますか?」
学部や学科で学びたいことだけではなく、大学全体の校風や学生生活をイメージできているか、大学のことをどれだけ把握しているかを確認されます。
「大学の印象」についての回答ポイントは以下の通りです。
*ポイント
・大学の校風、大学の卒業生が活躍している分野などを調べておく
・オープンキャンパスや学校体験や模擬授業などのイベントに積極的に参加する
大学受験を意識するようになって、初めてその大学の名前を知るケースもあるでしょう。大学の校風についてはホームページだけではわからない部分もあります。さまざまな大学に関する知識を持っている塾や予備校、高校の先生からアドバイスを得るのもおすすめです。自分の将来の目標である分野で活躍している卒業生がいれば、そのことについて話すのもよいでしょう。
オープンキャンパスや学校体験などで感じたことを話せれば、説得力のある具体的な内容になります。そうしたイベントには積極的に参加しておきましょう。
入学後の目標
【質問例】
- 「入学後の目標を教えてください」
- 「大学で挑戦したいことはありますか?」
- 「入学後勉強以外に取り組みたいことは何ですか?」
大学生活で前向きに努力し続けるためには、本人に明確な目標があるかが重要です。そのため、どのような学生生活を送りたいかを面接でチェックされることもあります。入学後の目標をしっかり答えられるように、以下のポイントで準備しておきましょう。
*ポイント
・志望学部で取得できる資格や学べる専門分野について調べておく
・部活動やサークル活動、ボランティアなど、大学での課外活動について調べておく
学部・学科での専門性の高い講義や研究によって、どのような学びを得たいかを具体的に考えておきましょう。大学での課外活動は、コミュニケーション能力や人間性を磨き、成長するための助けになります。面接を突破するためというだけではなく、入学後の自分自身の可能性を広げるためにも、チェックしておくとよいでしょう。
卒業後の目標や就きたい職業
【質問例】
- 「卒業後にやりたいことは何ですか?」
- 「あなたの夢は何ですか?」
- 「どんな職業や仕事に就きたいと思いますか?」
大学受験を控えている時点で、まだ明確な将来の夢や抱負がない方もいるでしょう。しかし、多くの場合、大学の先には就職があるので、携わってみたい分野やこんなテーマで社会貢献をしたいといった大まかな方向性を語れるようにしたいところです。志望学部や学科によって、そうした将来の目標に近づけることをアピールできるように話しましょう。
*ポイント
・自己分析をして、自分の興味や関心のある分野を明確にしておく
・大学での勉強が、自分が目標としている社会貢献に活かされるか考える
学部や学科を決定するとき、学力のみで考えずに、自己分析を通して自分の興味や関心のあることを明確にしたうえで検討しましょう。そうすることで、受験勉強だけではなく、結果的に大学での学習も有意義なものになります。
高校生活について
【質問例】
- 「高校生活で頑張ったことを教えてください」
- 「高校生活の思い出について教えてください」
- 「出身高校の特徴を教えてください」
高校生活での経験を聞くことで、面接官は受験生が大学に入学した後、どのように勉強に取り組むのかをイメージすることができます。獲得した知識やコミュニケーション能力などだけではなく、地道に学ぶ姿勢も評価されるでしょう。以下のポイントで準備をしておき、高校生活の中で達成できたことを話せるようにしておくとよいです。
*ポイント
・ 勉強や課外活動での目標や、目標達成までのプロセスを明確にしておく
・ チームの中での取り組みについては、自分の役割やチームにどのような貢献ができたかを考えておく
問題に対して自分で考えて解決し、自信につながったという経験を話せるようにします。時系列でスタートからゴールまで順序立てて説明できるように、準備しましょう。
自己PR
【質問例】
- 「自己紹介をしてください」
- 「あなたの長所と短所を教えてください」
- 「得意科目と不得意科目は何ですか?」
準備なしで自分の長所や得意なことを話すことは、非常に難しいことです。「明るい性格が長所です」「何事も一生懸命取り組みます」と言っても、客観的に分析して具体的なエピソードを加えて話さないと面接官には伝わりません。
「自己PR」は、以下のようなポイントで自己分析をしておきましょう。
*ポイント
・高校生活で力を入れてきたことを考えておく
・自分の強みや、褒められたり、評価されたりしたことを深掘りしておく
・苦労して成功したこと、達成感を味わったエピソードを分析しておく
自分の性格や趣味、好きなことについてなどを話しても、効果的な自己PRにはなりません。ポイントを整理して、具体的なエピソードを盛り込んで話せるようにしましょう。
自分の欠点を話すときは、改善するために努力していることも話すとよいでしょう。
他大学の受験状況
【質問例】
- 「併願はされていますか?」
- 「本学は第一志望ですか?」
他大学の受験状況によって、その大学への志望度の高さが判断されます。指定校制の推薦入試は、専願が基本です。そのため、そうしたケースでは併願校のことをあえて聞くようなことはないかもしれません。
併願が可能な場合は、併願校の大学名を答えるのは問題ないでしょう。どの大学が第一志望なのかといった情報を伝える必要はありません。
*ポイント
・大学や学部についての情報収集を行い、自分にとっての第一志望を決めておく
・数ある大学の中で第一志望に決めた理由を話せるようにしておく
・受験する各大学について、どこが魅力で受験しようと思ったのか説明できるようにしておく
第一志望の大学ではなかった場合でも、受験したからには他の大学にはない魅力があるということでしょう。大学生活やその先の将来を見据えながら、受験に至った理由を説明できるようにしておきましょう。
その他の質問
【質問例】
- 「最近の気になるニュースは何ですか?」
どのようなことに日々関心を持っているのかを尋ねる質問なので、やはり志望している学部や学科に関連するニュースを選ぶのがベストです。自分にとって話しやすく詳しいことであっても、相応しい話題かどうかは考えましょう。
*ポイント
・時事問題やニュースに目を通しておく
日頃から大学で学ぶ内容に関するニュースをチェックしておきましょう。ただ情報を集めるだけではなく、そのニュースに対して当日に自分なりの意見や考えが述べられるように準備しておいてください。
【質問例】
- 「何か質問はありますか?」
大学についてある程度の知識があり、強い関心もあれば、面接試験の際に聞いてみたいこともあるでしょう。面接官からの逆質問には、以下のポイントで準備しておきましょう。
*ポイント
・「特にありません」と回答するのは避ける
・調べてわかる質問は避ける
緊張していたり、準備していなかったりすると、「特にありません」と言ってしまいがちです。あらかじめ疑問点をピックアップしておきましょう。
また、ホームページや学校案内などで公表されているようなことを質問すると、リサーチ不足とされてマイナスの結果になってしまうこともあります。面接官に意欲を伝えられる模擬解答例は以下の通りです。
*模範解答
「もしも合格できた場合、入学までに読んでおいたほうがいい書籍などありましたら教えてください」
「高校で学んできた〇〇の知識をさらに深められる講義を教えてください」
\生徒ひとりひとりに合った指導で志望校合格へ導く/
●大学の推薦入試で面接を受けるときのポイント
大学の推薦入試の面接では、話す内容だけではなく、話し方や話す順番、基本的なマナー、作法もポイントになります。
結論ファーストで話す
一生懸命説明しようとしたのに、肝心なことは伝わらなかったというケースもあります。それは、話す順番によってわかりにくくなってしまっているのかもしれません。
PREP法は、ビジネスシーンでも相手にわかりやすく説明する方法として用いられている文章作成術です。「結論(Point)」「理由(Reason)」「具体例(Example)」「結論(Point)」の流れで簡潔に説明します。
実際に面接本番で話すとき、この順番を正確に守って話すことは難しいでしょう。そこで、まずはシンプルに結論を伝えた後に理由を述べるということを徹底するのがおすすめです。
緊張していると、質問に合っていない的外れな回答をしてしまうこともあります。質問内容がよくわからないときは、答える前に「~という質問で合っていますか?」と確認しましょう。そうすることで、意図から外れた回答をしてしまうことを避けられます。
基本的なマナーを守る
面接官に好印象を持ってもらえるように以下のような点に気をつけましょう。
・入室の仕方
ドアを2・3回ノックし、「どうぞお入りください」と言われたら静かにドアを開けて、笑顔を面接官に向けたら、元気よく「失礼します」と言ってから入室します。
・姿勢や目線
席に着いたら、背筋を伸ばしてふらふらせずにしっかりと座り、目線は質問をしている面接官に向けましょう。好印象を得られるように、できる限りにこやかな表情を心がけましょう。
・受け答えの態度と言葉遣い
面接中、失礼にならないように、面接官が話しているときはうなずき、理解していることを示すために、時折「はい」と答えるとよいでしょう。
言葉遣いについては、話し言葉、流行語、省略語などを使わないように、普段からも気をつけてください。
・身だしなみ
特別な指示がない場合は、面接時の服装は高校の制服があるなら、制服を着てください。シャツやジャケットのボタンを外さず、指定されているネクタイやリボンはきちんとつけましょう。
面接で話す内容を頭で考えておくだけでは、いざとなったときにイメージした通りに話すのは難しいです。事前に面接のシーンを想定した練習がとても重要です。学校や塾などで何度か模擬面接をしてもらい、受け答えに慣れておくとよいでしょう。その際、面接時間を測って、本番のように練習するとより効果的です。
●大学受験の面接で聞かれることを事前にチェックをして準備をしておこう
大学受験の面接対策についてお話ししました。ペーパーテスト同様、面接の合否を左右するのは、質問内容をあらかじめ想定して準備をしておくことです。1回勝負なので、失敗がないように実際の質疑応答の練習もしておきましょう。
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