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滋賀県高校入試制度の仕組み|令和8年からの入試の流れや注意点

2024.11.22

滋賀県の高校入試制度が令和8年度から大きく変わります。新しい制度に対応するためには、正確な情報を知ることが重要です。

滋賀県の高校入試が変更される背景には、日程の過密化や早期に多数の不合格者が出ることによる心理的負担を解消する目的があります。また、さまざまな角度から資質や能力を計れるようにしたり、選抜を受ける機会を増やしたりすることも目的の一部です。

本記事では、令和8年度から始まる滋賀県立高校入試制度における変更点や出願の流れ、注意点を詳しく解説します。

◆本記事の目次

●滋賀県立高校の入試の仕組み【令和8年度以降】

令和8年度から滋賀県立高校の入試制度が大きく変更されます。変更点は以下の4つです。

変更ポイント1)選抜の時期が1本化される
変更ポイント2)全員が学力検査を受検する必要がある
変更ポイント3)学校独自の選抜が実施される
変更ポイント4)Web出願システムが導入される

それでは、具体的な変更ポイントを一つずつ見ていきましょう。

変更ポイント1)選抜の時期が1本化される

まず、選抜の時期が1本化される点です。これまで別々に実施されていた推薦選抜、スポーツ・文化芸術選抜、特色選抜、一般選抜が、「一次募集」として2月下旬に行われます。

一次募集では、受検者の資質や能力を多面的に評価する「学校独自型選抜」と、「一般型選抜」の2つの選抜を2日間で実施します。これにより、多様な才能や能力を持つ生徒たちに対する公平な評価が可能となります。

さらに、定員状況に応じて、追検査が3月上旬に、二次募集が3月中旬に実施されるため、一次募集で合格できなかった生徒にも再挑戦の機会が提供されます。

この変更は、受検生の負担軽減と、公平で多面的な評価を実現するための大きな一歩となるでしょう。

変更ポイント2)全員が学力検査を受検する必要がある

全員が学力検査を受検する必要があるという変更点があります。これまでの入試制度では、推薦選抜やスポーツ・文化芸術選抜においては、学力検査が必須ではなく、作文や面接などの形式がとられていました。しかし、新しい制度では選抜の形態にかかわらず、全ての受検者が国語、数学、社会、理科、英語の5教科の学力検査を受けることになります。

学力検査は全受検者にとって公平な評価基準を提供するものであり、学問の基礎的な能力を正確に測定することが期待されています。一方で、これによりスポーツや文化芸術に特化した生徒や推薦での進学を考えていた生徒も十分な学力対策が求められるため、従来以上の準備が必要となるでしょう。

変更ポイント3)学校独自の選抜が実施される

この新たな選抜方式では、一次募集において受検者の資質や能力をより深く評価するため、「一般型選抜(学力検査)」と「学校独自型選抜(学校独自検査)」が2日間にわたり行われます。

この「学校独自型選抜」は、「自己推薦制度」や「中学校長推薦制度」のいずれか、もしくは両方が導入されます。生徒自身の特性や能力をアピールする機会が増えるのです。自己推薦制度では、部活動や特定の科目で優れた成果を上げた生徒が自らの実績をもとに学校にアプローチでき、中学校長推薦制度では、学校が認めた生徒が推薦を受け、選抜に挑む形です。学校独自型選抜は希望者のみが受検可能で、一般型選抜と併願することができます。

この取り組みにより、受検生は学力以外の観点からも選抜を受けることができます。また志望校への受検のチャンスが増えるというメリットもあります。学校側も「一般型選抜(学力検査)」と合わせて活用することで求める生徒像にぴったり合った生徒を確保できるでしょう。

変更ポイント3のまとめ
受検パターン
選抜パターン学力検査のみ学力検査+学校独自検査
学校独自型選抜
一般型選抜

変更ポイント4)Web出願システムが導入される

最後に、Web出願システムが導入される点です。これにより、出願手続きが効率化され、インターネットを通じて簡単に出願が行えるようになります。受検生や保護者にとっては、紙による煩雑な手続きを省略できる点が大きなメリットとなるでしょう。

これらの変更点を踏まえ、受検生は新しい制度に対応した準備を進めることが重要です。令和8年度からの新制度に関する詳細な情報を確認し、計画的に学習や出願の準備を進めましょう。

●滋賀県立高校入試の出願から合格までの流れ【令和8年度以降】

次に新しい入試制度での出願の流れを確認してみましょう。令和7年度以前と流れに大きな違いはありませんが、細かい部分でルールの変更がありました。以下では、具体的な3つのステップについて説明します。

Step1.出願

まず、出願を行います。Web出願システムが導入されるため、インターネットを通じて簡単に出願手続きが行えるようになります。出願期間中にオンラインで必要な情報を入力し、志望校を決定して提出します。この段階で、システムの操作に不慣れな人は余裕を持って準備することが重要です。

また、令和8年度以降新制度の下では、出願の変更が可能になります。これにより、試験に臨む前の段階で学校選択に柔軟性を持たせることができるようになります。また、受検の方向性に応じて、学校選抜と一般型選抜の併願ができます。

※併願=学校独自型選抜と一般選抜を併用して出願
※専願=一般型選抜のみに出願

Step2.受検

次に受検です。試験は2日間にわたり実施され、1日目には全員が学力検査を受けます。数学、国語、英語などの主要教科について試験が行われ、総合的な学力が測定されます。2日目には、各学校独自の選抜方式による試験が実施されます。ここでは、エッセイや面接、実技試験など、学校毎に独自の評価基準に則って試験が行われます。志望校の特性に合った準備が必要です。

1日目:学力検査

国語、数学、社会、理科、英語の5教科の試験

2日目:学校独自検査

作文、小論文、面接、口頭試問、プレゼンテーション、実技など各高校の特色に応じた学校独自検査を実施

学校独自型選抜の募集枠や検査内容、出願要件や推薦要件が学校ごとに定められていますので、気になる学校の情報を確認しておきましょう。

Step3.選抜&合格発表

最後に選抜と合格発表です。学力検査と学校独自の選抜試験の結果をもとに、総合的な評価が行われます。

併願の場合は、学校独自型選抜→一般型選抜の順番で合否が決定されます。具体的には、「学校独自型選抜」では、学校独自検査や学力検査の結果、個人調査報告書などをもとに選抜が行われます。一方、「一般型選抜」では、学力検査の結果や個人調査報告書などをもとに選抜が行われます。

合格発表は3月中旬に行われ、受検生本人と保護者に通知されるとともに、Webポータルで確認できるようになります。

●令和8年度から始まる滋賀県立高校入試の注意点

続いて、新制度において特に注意すべきポイントを解説します。注意点は大きく2つあります。

一次募集で受けられる学校は一校のみ

重要なポイントの1つ目は、一次募集で受けられる学校が一校のみという点です。複数の学校に同時に出願することができなくなるため、志望校を選定する段階で慎重な判断が求められます。例えば、「学校独自型選抜」と「一般型選抜」のどちらも受ける場合でも、同じ学校を受検しなければならないというルールが適用されます。

出願変更は1回まで

重要なポイントの2つ目は、出願変更が1回まで可能という点です。出願状況の公表後、他の学校や学科へ出願を変更することができます。一次募集で受けられる学校が一校のみのため、出願状況を確認してから、より自分に合った安全な選択ができるというこのルールは非常に重要です。

ただし、出願変更は1回しかできないため、慎重に戦略を立てる必要があります。この出願変更制度を上手に活用し、自分に最適な進路を選びましょう。

●令和8年度以降の滋賀県立高校入試は制度変更に注意を

令和8年度以降、滋賀県立高校入試には複数の制度変更が予定されています。これらの変更は受検生に重要な影響を及ぼすため、早めに新しい制度について情報収集し、詳細を理解しておくことが大切です。

入試の選抜時期が1本化されることや、全員が学力検査を受検する必要があること、学校独自の選抜が実施されることなど、新制度の仕組みをいち早く理解し、適した戦略を練る必要があります。

滋賀県の高校入試に関する不安や疑問がある場合は、塾に相談するのも一つの方法です。「京進の中学・高校受験TOPΣ」なら、滋賀県の新たな高校入試に関する相談も受け付けています。さらには、新制度に応じた受検対策も対応可能です。経験豊富な講師陣が最新情報をもとに、効果的な学習計画を提供します。気になる方はお気軽にお問合せください。

※滋賀県教育委員会ホームページにも令和8年度の入試に関する情報が掲載されています。定期的に閲覧して最新の情報は入手しておきましょう。

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