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指定校推薦とは?基礎知識やメリット・デメリット、推薦枠を掴むコツ

2024.12.02

指定校推薦は、大学入試の一つの方法として多くの高校生が活用している推薦制度です。この記事では、指定校推薦の仕組みやメリット・デメリット、そして推薦枠を勝ち取るためのポイントをわかりやすく解説します。志望大学に合格するための第一歩として、指定校推薦の基礎をしっかり理解しましょう。

◆本記事の目次

●大学の指定校推薦入試に関する基礎知識

指定校推薦は、大学が特定の高校に与える推薦枠を通じて、出願資格を得る入試方式です。この制度を活用するために、まずその仕組みや流れ、他の推薦との違いを理解していきましょう。まずは、指定校推薦の基礎知識を詳しく解説していきます。

指定校推薦とは??

指定校推薦は、大学が特定の高校に推薦枠を設け、その学校の生徒が学校長からの推薦を受けることで出願できる入試方式です。主に私立大学で行われており、大学は指定した高校に対して推薦枠を提供します。推薦枠の人数は大学ごとに異なり、複数の希望者がいる場合は校内選考が行われます。選考基準には、評定平均や生活態度、出席日数などが含まれ、生徒の総合的な人柄が判断されます。

指定校推薦を受験する流れ

指定校推薦のスケジュールはおおむね次のように進行します。

6月~8月 各高校にて指定校枠が公開される
10月頃 校内選考を終えて、推薦される生徒が決定する
10月~11月 大学への出願、試験が実施される
12月頃合否がわかる

指定校推薦の出願時期や試験日程は、大学や学部によって異なるため、志望校のホームページで確認することが大切です。

指定校推薦の試験内容

指定校推薦の試験では、志望理由書や小論文、面接が課されることが多いです。大学によっては口頭試問やプレゼンテーション、さらには共通テストを課すところもあります。事前に各大学の試験内容を把握し、しっかり対策しましょう。

<ポイント>自己推薦や公募推薦との違い

・自己推薦の特徴
自己推薦は、学校からの推薦を必要としないことが大きな相違点です。また、志望する大学の出願条件を満たしていれば、誰でも出願が可能なのもポイントです。

参考コラム:大学の自己推薦入試とは?基礎知識や選抜方法、受かるためのポイント

・公募推薦の特徴
次に、公募推薦との違いについてですが、どちらも学校長からの推薦が必要である点は共通しています。ただし、指定校推薦は特定の高校に対して大学が推薦枠を設けているのに対し、公募推薦は全国の高校生を対象としています。どの高校の生徒でも出願条件を満たせば応募可能な点が相違点です。

参考コラム:公募推薦で受かる人の特徴3つ!合格に向けた対策のポイントとは

●指定校推薦のメリット・デメリット

指定校推薦には、合格の可能性が高いなど多くのメリットがありますが、同時に他の大学への出願ができないといった制約もあります。ここでは、指定校推薦を利用する上で知っておくべきメリットとデメリットを整理しました。受験生にとっての利点と注意点を確認しましょう。

メリット

・一般入試に比べて早く合否が決まる
指定校推薦の最大のメリットは、一般入試よりも早い段階で合否が確定することです。一般的に、国公立大学を含む一般入試は2月頃から行われますが、指定校推薦の場合は、12月には結果がわかります。他の受験生に比べて早く進路が決まるため、受験のプレッシャーから早期に解放され、残りの高校生活を充実させられるでしょう。同級生との思い出をたくさん作ったり、大学進学に向けた準備をゆっくりと進められたりするのは大きな魅力です。

・合格の可能性が高い
指定校推薦は、合格の可能性が比較的高いことでも知られています。自己推薦や公募推薦に比べて、校内選考を通過している時点で、大学側はその生徒を合格させることを前提にしているため、よほどのことがない限り不合格になることはありません。つまり、校内選考をクリアすることができれば、合格を手にする確率はかなり高いと言えます。このため、志望校に確実に進学したい生徒にとっては、非常に有利な選抜方式です。

デメリット

・他の大学に出願できない
一方で、指定校推薦には制約もあります。その一つが、専願が原則である点です。指定校推薦で合格した場合、その大学に必ず進学する義務があり、他の大学への出願ができなくなります。したがって、指定校推薦を滑り止めとして利用することはできません。また、合格後に入学を辞退すると、高校全体の信用が失われ、翌年以降の指定校枠が取り消されるリスクもあります。そのため、慎重に大学選びをすることが求められます。

・希望する大学の推薦枠が必ずあるとは限らない
もう一つのデメリットは、希望する大学に推薦枠がない可能性がある点です。指定校推薦の枠は大学ごとに毎年異なり、必ずしも希望する大学の枠があるとは限りません。指定校推薦を当てにしすぎていると、いざ枠がなかった場合に、受験勉強の計画が大きく狂ってしまうことがあります。そのため、一般入試の準備も並行して進めるなど、計画的な対応が必要です。

<ポイント>指定校推薦は大学入学後も努力が求められる

指定校推薦で合格した場合、その後も大学生活において、自分が高校を代表しているという意識を持って取り組むことが大切です。入学後の態度や成績は、後輩たちの推薦枠にも影響を与える可能性があるため、大学生活においても学び続ける姿勢を持つことが求められます。

高校から指定校推薦をもらうには?

指定校推薦を勝ち取るには、何が必要なのでしょうか?ここでは、校内選考を突破し、指定校推薦を獲得するための具体的な対策を紹介します。

早いうちから評定平均を意識する

指定校推薦を受けるためには、まず評定平均をしっかりと意識しておくことが重要です。評定平均が高ければ高いほど、校内選考で指定校推薦の枠を獲得できるチャンスが増えます。この評定平均は、高校3年間すべての成績を元に算出されるため、どの学年においても全力で取り組むことが大切です。

特に、定期試験は大きなウェイトを占めており、各科目で高得点を取ることで高い評定を維持できます。また、音楽や体育、家庭科といった実技科目も成績に含まれるため、科目に優劣をつけずに取り組むことも重要です。

さらに、試験だけでなく、日々の授業態度や提出物の管理も評定平均に影響します。授業に集中し、課題を期限内に提出することで、トータルでの評価が上がるため、コツコツと努力を積み重ねることが大切です。

参考コラム:評定平均とは?評定平均を上げるためにできることや算出する方法

課外活動に積極的に取り組む

部活や文化祭、体育祭の実行委員などに積極的に取り組むことで、学校生活全体での活躍が認められ、先生からの評価が高くなる可能性があります。校内活動での実績は、指定校推薦の校内選考でも有利に働くことが多いです。また、ボランティア活動や資格の取得なども、高校生活を充実させる要素として評価される場合があります。これらの活動を通じて得た経験は、大学での学びにも生かされるため、将来を見据えた取り組みとしても非常に有意義でしょう。

●指定校推薦で合格を勝ち取るためのポイント

続いて、小論文や面接の対策を含めた、指定校推薦で合格するための具体的なポイントを解説します。計画的な準備を進め、確実に合格を手にしましょう。

志望校についての情報収集は念入りに行う

指定校推薦で合格を勝ち取るためには、まず志望校についての徹底的なリサーチが不可欠です。なぜその大学に行きたいのか、そこで何を学びたいのかを明確にすることで、志望理由書や面接でアピールしやすくなります。大学のカリキュラムや教授陣、学部の特色などを細かく調べ、自分の将来の目標にどう結びつくかを具体的にイメージしておきましょう。

志望理由が明確であるほど、面接時に自信を持って答えることができ、大学側にも熱意が伝わります。リサーチの結果をもとに、自分なりの学びのビジョンを構築しておくことが重要です。

参考コラム:大学の調べ方の基本!志望校を選ぶ際に確認するべきポイントとは

小論文の対策を早めに始める

指定校推薦の試験では、小論文が課されることが多くあります。小論文は、試験対策の中でも特に準備に時間がかかる部分です。

一方で、練習を重ねれば確実に上達します。さまざまなテーマに触れ、わかりやすい構成の“型”を身につけることを意識して取り組んでみてください。早い段階から対策を始め、質の高いフィードバックを受けることが大切です。

小論文の対策は学校だけではなく、塾を利用することで、より効率的に進められます。

参考コラム:小論文の得点を伸ばす6つのコツ|論理的な書き方を身につけるには?

たくさん面接練習を積む

指定校推薦では、ほとんどの大学で面接試験が行われますが、面接の成否は練習をどれだけ重ねたかに大きく依存します。面接では、事前に作り込んだ志望理由書をベースに、熱意を自分らしく伝えることが重要です。

具体的な対策としては、先生や友人に面接官役をお願いして模擬面接をするなど、実戦的な練習がおすすめです。何度も模擬面接を行うことで、さまざまな質問に対して柔軟に答えられるようになります。しっかり数をこなして自信をつけてください。

参考コラム:大学受験の面接で聞かれることは?質問例や答え方のポイント

●指定校推薦で合格するためには早期の対策が鍵!

評定平均の維持や課外活動への積極的な参加、面接・小論文の対策など…指定校推薦で合格を勝ち取るために重要なことはたくさんありましたが、高校1年生~2年生など早いうちから推薦を意識して対策を進めることが鍵になります。

計画的な準備は必要ですが、志望校への合格の可能性が高まり、早期に合格を勝ち取れるという点では非常に魅力的です。

この記事で触れたポイントをしっかり押さえ、指定校推薦で志望校合格を目指しましょう。

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